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うずくまったまま、目も開かず……

 でも病院には、救急車ではなく、歩いて行きました。

「出産の3倍痛かったのに、なんで救急車じゃないんだろう? 痛くなかったのか」と思うでしょう?

 実は「わざ」を使ったのです。「人生最大の痛み」を感じた私は、旦那に、懇意にしている気功の先生に「電話して!」とお願いしました。

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 多分、私は大声で叫んだと思います。1回で通じたからよかったけど、2回目は声も出なかっただろうと思います。そのぐらい痛かった。私はうずくまったまま、目も開かない状態でした。

 そして2度目の痛みがピキッと。後頭部です。もう「雷で死亡」状態。その直後、先生につながり、電話で“気”を送ってもらえたので、痛みが治まり、翌日には目も開き、歩いて病院に行けたのでした。

 皆さんお察しのとおり、私は数々の代替医療の先生に助けてもらって生きてきました。西洋医学でも東洋医学でも、あるいは第3の道でも、「いいお医者さん」だったらいいと私は思うのです。しかしこの時ばかりは、痛みの芯がどうしてもとれず、大学病院にいきました。

(後編「出てくる言葉は『お母さん』と『わかんない』 左脳の4分の1が壊死した私」を読む)

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※タイトルの病名に関しまして、読者のご指摘を受けまして「くも膜下出血」に修正いたしました。誤解を招く表現、お詫びいたします。

しみずちなみ/1963年東京都生まれ。青山学院大学文学部卒業後、OL生活を経て、コラムニストに。著書に『おじさん改造講座—OL500人委員会』(文春文庫)など。

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2020年6月22日 発売