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「鵜飼でおもてなし」は織田信長が始めた
船上の居心地のよさもたまりません。穏やかな水上の優雅な雰囲気が、なによりの贅沢。電車や車などの生活音が遮られ、とても静かな時間が流れます。また、水面に近いため、とてもひんやりと感じます。かつての城主達も、船上で涼を取りながらこの景色を愛でたのかもしれません。
鵜飼の起源は古墳時代ともいわれ、美濃では702(大宝2)年の「鵜養部目都良売(うかいべめつらめ)」という記述が初見です。1300年以上の歴史があり、室町時代には将軍・足利義教が長良川で鵜飼を観覧したという記録もあります。現在のようにおもてなしのひとつとして取り入れたのは織田信長で、武田信玄の使者が美濃を訪れた際に鵜飼観覧に招待したとされています。
1615(元和元)年に徳川家康・秀忠父子が観覧したのを機に、将軍家への鮎鮨献上が開始し、やがて尾張藩では長良川鵜飼の上覧が慣例となりました。犬山では、城主の成瀬正親が17世紀後半に御料鵜飼として始め、鵜匠を保護したといわれています。
撮影=萩原さちこ
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犬山城をめぐる旅の模様は、「文藝春秋」7月号の連載「一城一食」に掲載しています。
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