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2020/07/17

マリンのフライキャッチの大原則

 11年目を迎えるベテランの荻野貴司外野手も風の難しさを口にする。「入団したころよりは分かるようにはなってきましたけど難しい事には変わりはない。試合中に風向きが変わることもあるし、センターからホームに吹いて、バックネットに当たって風が戻って伸びてくることもある。球場の構造の話で言うと天井の上か下かの境目に上がった打球が一番、見極めるのが難しいかもしれない。どっちとも判断がつかないですからね」。

 7日の試合では6回にライオンズ山川穂高内野手の打った瞬間にスタンドインかという打球が真下に落ちるように戻されセンターの荻野が捕球する場面もあった。これについて荻野は「外野から内野に戻される強い風が吹いていました。強い打球でしたけど、もしかしたらと思っていた。だからあきらめずにギリギリまで追いかけていた。そしたらボールが真下に落ちてきた。もし、決め着けていたらとれていないかもしれない。でもマリンでは結構あること」と振り返る。決めつけないこと。これは誰もが口にするマリンのフライキャッチの大原則だ。ホームラン性の打球が戻されることもあれば、ボールがファウルゾーンからフェアゾーンに入ることもある。

「2、3メートル範囲内にアバウトに照準を持ってきてつねに半身で正面には入らない。色々な事を想定していないとダメ。打球が流れてライトからセカンド。ライトからセンターもあるから、となりの守備範囲のボールと決めつけないことも必要。間にポトリもよくあるからね。お互いの確認、準備、声掛けも大事。打球でいうと詰まった打球が怖い。場所でいうと外野のアンツーカー辺りが難しいね」(大塚コーチ)

 ちなみに試合中継やテレビニュースなどでよく取り上げられる風速計はバックスクリーン最上部の上空27メートル地点に設置されており、風速の表示は30秒更新で更新前の1分間の平均風速(計測は1秒毎)が表示される。だから上空高い計測ポイントと実際のグラウンドレベルでは風の向きが違う事は非常に多い。

バックスクリーンの風速計 ©梶原紀章

 これからも何度も吹き荒れるであろうマリンの強風。ぜひ外野手のスタート、備え、そして外野手同士の確認作業や風向きと実際の風の違いや天井より上の打球と下の打球でどのように動きが違うかなどにも注目をしてみていただくと面白いかもしれない。ZOZOマリンスタジアムの風を名物として楽しんで欲しい。そしてこの不規則な動きをするフライをキャッチするプロの技術を堪能して欲しい。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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