これらの作品の中には、異人間と対峙することを目的とした組織も描かれる。巨人には調査兵団、亜人には厚生労働省亜人管理委員会、喰種には喰種対策局(CCG: Commission of Counter Ghoul)が、それぞれ対応している。これらの組織の中にも、さまざまな思想や行動理念を持った人々が描かれる。
『鬼滅の刃』の大ヒット
特に今、こうした構図を持った作品の中で、大きな人気を博しているのが吾峠呼世晴のマンガ作品『鬼滅の刃』である。大学生の間でも話題になっており、『鬼滅の刃』のコミックス18巻が発売された2019年12月には、書店やネット書店で売り切れが続出し、既刊の単行本も在庫がない状態が散見された。知り合いの書店員や、書店でアルバイトをしている学生たちに聞くと、一様に「ものすごい売れ方」なのだと言う。
2020年3月9日付のオリコン「週間 コミックランキング」(2020年2月24日~3月1日)によると、1位から10位まではすべて『鬼滅の刃』であり、1位から20位までのうち16タイトルが『鬼滅の刃』という状況だ。ちなみに、同ランキングの2020年2月17日付(2月3日~2月9日)では、20位までのうち、1位から19位が『鬼滅の刃』が占めている。
主題歌は紅白歌合戦でも披露された
本作は、マンガ雑誌『週刊少年ジャンプ』で2016年2月より連載を開始、同6月にコミックスの第1巻が発売される。その後、2019年4月から9月までアニメ版が放送されたことがきっかけで、爆発的な人気を博し、2019年11月27日に、原作コミックスの累計発行部数が2500万部を突破すると集英社から発表があった。2019年末の第70回紅白歌合戦には、アニメ版『鬼滅の刃』の主題歌である『紅蓮華(ぐれんげ)』を歌った歌手のLiSAが出場し、『鬼滅の刃』のアニメ映像をバックに主題歌を歌いあげた。