小島よしおがスラダン・三井よりも推していたのは……
2位の『SLAM DUNK』も完全に世代です。当時、バスケ部にいた同級生は当たり前のように読んでいたし、僕は野球部でしたけど全部読んでました。
『SLAM DUNK』の人気キャラクターと言ったら、三井寿ですよね。中学で「スーパースター」と呼ばれていたけど怪我をきっかけに一旦バスケから離れてしまって、それからまた戻ってくる。名言も色々ありますし、確かにカッコいいですよ。でも僕はそんな三井よりも11巻に出てくる翔陽高校の長谷川一志が忘れられないんです。
彼は中学時代に天才・三井と対戦して衝撃を受けている一人で、インターハイ神奈川県予選・決勝リーグ進出を賭けた大一番に対戦相手・翔陽高校のメンバーとして出てくるんです。試合前に「三井の得点は5点以内に抑える」と言い放って、実際に残り時間5分まで三井を完璧に抑える。その試合での戦いぶりを読んだ時に、中学時代に三井に圧倒されてから本当に頑張って、努力し続けてたんだなって感動してしまって。めちゃくちゃカッコよくないですか?
やっぱり少年マンガにある「努力を積み重ねた人が急成長していく」っていう話が僕は好きなんですよね。それは主人公に限らないし、敵味方関係なくあるじゃないですか。それを見て僕も学生時代に「冬のトレーニングめちゃくちゃ頑張ったらこんな風になるのかな……」って想像したりして。だから桜木花道のジャンプシュート2万回練習とかも憧れでした。実際はそんなに頑張れなかったんですけど。あ、でも「そんなの関係ねぇ!」は2万回ぐらいやってるかもしれない(笑)。
他にも陵南高校の魚住純っていう奴のシーンが印象に残ってますね。インターハイ湘北対山王工業戦を観戦しに来るんですけど、突然コートに乱入してきて大根のかつらむきをするんですよね(笑)。相手に圧倒された赤木剛憲(湘北高校)を鼓舞しようとしてのことだったんですけど。まさかすぎました。
「『鬼滅の刃』の敵キャラだと、猗窩座(あかざ)が好き」
7位に入っている、今大ヒット中の『鬼滅の刃』ももちろん読んでます! ただ連載ではじめて読んだときは今ほどハマってなかったんです……。やっぱり良さに気づいたのはアニメを見てからですね。絵も色がすごく綺麗だし、展開が早いので見飽きることもない。それと、最大の魅力は声優さんでしょうか。主人公の炭治郎をはじめ、担当されている皆さんの声がドンピシャで、花江夏樹さんの声がいいですよね(笑)。
「なんでこんなに大ヒットしてるの?」っていう疑問をよく目にするんですが、ドラゴンボール世代の僕が読んでるとなんとなく“敵のカッコよさ”なんじゃないかなって思うんです。それはドラゴンボールとの共通点でもあって、フリーザも敵だけどカッコいいじゃないですか。僕は、『鬼滅の刃』の敵キャラだと、猗窩座(あかざ)が好きなんです。あんなにカッコいいけどなんてこいつは可哀そうなんだ……! っていう暗い過去を背負ってるんですよね。『鬼滅の刃』はキャラクターから沼にハマってしまった気がします。
テレビとかでよく芸人の家が出てくるときにみんな漫画がズラリと並んでいたりしますけど、やっぱりお笑いと漫画って似ているところがあって。どちらも“キャラクター”ってすごく大事な要素なんです。漫画好きのお笑い芸人が多いって、そういう理由もあるのかなって思います。