「GU」は全店舗撤退が決定
もちろん、クラフトビールの人気にもカラクリがあり、酒税法の改正により、価格が大幅に下がったこともある(1缶250円~300円)。
不買運動の矛先となったのは、いずれも韓国で人気があったもので、「ユニクロ」も然り。そのユニクロは昨年末までに186店舗中12店舗が店を畳み、
健闘していた自動車も、日産自動車が韓国から撤退し、他社も苦戦が続いている状況だ。化粧品も奮闘していたが、「コロナがひと段落したらお客さんも戻ってくると思ったら、不買運動の影響がまだ残っているのか、それとも他社製品のほうがよくなったのか、売り上げが前のように戻らない」と販売員はこぼしていた。
「日本産うんぬんはもう関係なくなっている」
一方で、善戦しているところもある。「任天堂」は「あつまれ どうぶつの森」が韓国でもヒットしていて、販売店前には長い行列までできた。「ABCマート」や「デサント」、「無印良品」などは不買運動開始直後こそ打撃があったと報じられたが、現在は安定していて業績も好調だと伝えられた。前出記者は言う。
「不買運動に直接関わっている人はともかく、ほとんどの人にとってはモノがよければ日本産うんぬんはもう関係なくなっている。トヨタのレクサスなどはやはり欲しい、購入したいという人は周りにもいますし、個人的にはサッポロのヱビスビールは飲み続けたいですし」
かつて日本製品は質が高いと韓国でも持て囃された。ところが、奇しくも「輸出管理」をきっかけに消費者の目が他製品に移ってしまったことも、日本製品不調の背景になっているようだ。
肝心の輸出が管理された3品目はどうだろう。「フッ化水素」には大きな変化が見られて、韓国内での国産化が進められ、輸入先として日本は全体の4割ほどを占めていたのが、現在は9.5%へと激減している。代わりに取引が増えているのは、中国と台湾だ。「フォトレジスト」と「フッ化ポリイミド」は、あまり変化はなく、「フッ化ポリイミド」にいたっては若干だが日本からの輸入が増えてもいる。