7月4日、東京都では新型コロナウイルスの新規感染者が131人に上ったことが確認され、3日連続で1日あたりの感染者数が100人を超えた。特にホストクラブなど「夜の街」に勤める従業員ら20~30代の若い世代を中心に感染は拡大しており、いわゆる“第2波”が懸念されている。

 小池百合子都知事は2日に「都民には夜の街、夜の繁華街への外出を控えてほしい」と呼びかけたが、「文春オンライン」取材班が同日の深夜、ホストクラブが軒を連ねる新宿・歌舞伎町を訪れると、界隈は酔客で溢れ、ホストクラブにはこの日も女性客が集まり、店内からは高級酒を注文した際にかかる“シャンパンコール”や、カラオケの歌声が鳴り響いていた。

女性客に声を掛けるホスト店関係者 ©文藝春秋

 取材班は3月以降、新型コロナウイルスのクラスターとなってきたホストクラブの内情について、たびたび警鐘を鳴らしてきた。だが、当のホストたちやオーナーの耳には届いていないようだ。

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 6月中旬、10人以上の感染者を出したホストクラブ「A」グループの店舗関係者はこう証言する。

「店では、従業員がコロナに罹っても、濃厚接触者の検査もせず、感染者以外のホストで営業を続けて、『コロナに負けるな』と売り上げを上げることに必死です。こんな状況なので、店舗内の感染者は増える一方なんです」

 ホストクラブ「A」は、歌舞伎町の中心地の雑居ビル2Fにあり、「A」のほかに「B」や「C」など複数の系列店が営業をしている。業界では中堅グループに位置付けられる。6月中旬に「A」で数名、「B」「C」でも複数の感染者が確認されている。

ホスト店の看板が並ぶ歌舞伎町の一画 ©文藝春秋

「店は4月の緊急事態宣言の直後も、1週間ほど休んですぐに営業を再開していました。お客が集まらないと『店舗対抗新規獲得レース』というイベントを実施して、『1万円でフリータイム飲み放題』などという宣伝文句を使ってSNSで営業をかけ、新規客を積極的に入れていた。5月25日に緊急事態宣言が全面解除されてからは、バースデーイベントを頻繁に開催。

 他の飲食店がソーシャルディスタンス確保のために座席を制限する中、うちはテーブル数も制限せず、『入れるだけ入れろ』って感じで、ホストも客もかなり“密”でやっています。ドンペリを入れると担当ホストは他のお客に『お前ら自粛中とか言ってないで頑張れや』などと煽ってイッキ飲みをさせたり、シャンパンの回し飲みをしたり。最初こそマスクをしていましたが、ベロベロになったら関係ない。いつも通り、店が終わったらアフターでご飯にも行くし、客の買い物にも同行していますよ」(同前)

アラートを表示する東京都庁 ©文藝春秋