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2020/07/07

森本氏の後任と目される人物は?

 そこで、森本氏の後任は誰かという情報も流れてきた。その名を新河隆志氏(55)という。法曹界はいわゆる司法修習の「期」という年次があり、森本氏は44期。新河氏は46期で2年後輩となるが、年齢は逆転する。

 新河氏の出身は茨城県で、1991年の司法試験に合格している。同県で司法修習を経験した後、東京地検、水戸地検、名古屋地検などで若手検事としてのキャリアを積み、2010年に青森地検ナンバー2の次席検事に就任している。以後、東京地検刑事部の副部長を経て、14年11月に東京地検特捜部の副部長になっている。そして、16年4月には大阪地検特捜部の副部長に異動する。

法務省 ©時事通信社

 この異動後、いわゆる「森友問題」に絡む背任や公文書毀棄事件に関して、財務省の佐川宣寿氏ら省幹部に対する刑事告発が出ていたことから、当時の山本真千子・大阪地検特捜部長を支えて事件処理に尽力している。そして、18年5月には、佐川氏らを不起訴処分とする記者発表に山本氏と共に臨んでいる。現在は東京地検に戻り、特別公判部長の職にある。

事件一筋のキャリア、検察内部の評価は「とにかく人格者」

 新河氏は法務省経験や出向経験がないため、検事本来の事件一筋のキャリアの持ち主だ。このため、対外的な露出が少なく、検察外ではあまり知られていないといえるだろう。新河氏に対する検察内部の評価を聞くと、「とにかく人格者。特捜検事は居丈高なタイプも多いが、新河氏は温厚篤実」「同僚検事のみならず、検事がコンビを組む『立ち会い事務官』にも慕われる」「仕事が極めて堅実」などといった声が聞こえてくる。

検察庁 ©時事通信社

 森本氏は「パンチ力」のあるブルドーザー型といわれるが、タイプは全く違うような印象を受ける。森本特捜部があまりに華やかな事件を次々と手がけただけに、次の東京地検特捜部長のプレッシャーは相当なものがあるだろう。しかし、ある検察幹部は「現特捜部の勢いを消さないよう、さらなる弾は込めつつある」と自信をみせている。近く稲田総長から林総長にバトンが移り、黒川問題のマイナスイメージをいかに払拭するかが当面の法務検察の大きな課題となっているが、林新総長の下、特捜部が何を手がけていくのかにも注目が集まる。

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