K-POPが「浮世離れ」していた頃、影響力を持っていたのは……
00'年代に日本でも活躍したBoA。本物志向の歌とダンスのパフォーマンスで人気を博しました。
10'年代になるとKARAや少女時代など、「浮世離れ」したセクシーな美の追求、厳しいレッスンに裏打ちされたパフォーマンスの質が、日本のアイドルとは違った魅力を放つように。
ただし、彼女たちの「韓流」はまだ日本人にとっては「浮世離れ」していて、ファッション的な影響力とまでは行かなかったように思います。
その一方で、当時ファッション的な影響力を持っていたのは「親近感」が売りのAKB48です。「会いに行けるアイドル」のコンセプトは推しメンを応援したい気持ちを高め、歌やダンスが下手でもむしろ愛らしいチャームポイントとして受け入れられました。
顔立ちの整った芸能人で、ある意味「浮世離れしている」彼女たちがファッションアイコンになれたのは、この「浮世離れ」と「親近感」のバランスにあったのではないでしょうか。
AKB48のトレードマークは黒髪ストレートに「下ろして流すバング」。ヘアアイロンやコテを使ってスプレーでガチガチに固めた絶対領域的な前髪は、清楚で純粋なイメージを作り出していて、当時の若者はこぞってマネをしました。
ちなみに「AKBの子たちの見分けがつかない」と嘆いた大人たちは、実は間違ってません。当時のメンバーはみんな同じ髪型をしていたので、見分けがつかなくて当たり前です。
SNS時代は「親近感」を生みやすい
では、これまで日本でファッション的な影響力を持たなかったK-POPが、大きな影響力を持つようになったのはなぜか。私は「SNS」がカギだと思います。
SNSの普及によって、アイドルも当たり前に自分から発信するようになり、自然とプライベートなファッションが目に映り込むようになりました。「浮世離れ」したアイドルの日常は「親近感」を生みやすく、瞬く間にファッションリーダーになることができたのだと思います。
かつてキムタクがドラマのワンシーンで着た服が大人気になったように、彼らのカッコいい、カワイイファッションは日本でも注目される。
すると、同じアジア人のファッションは取り入れ易くもあり、若者たちが影響されたのも当たり前の事のように感じます。
まだまだ快進撃を続ける韓国エンタメには、次は何が来るのか、ファッション的にも目が離せませんね。