元ネタは80年代のトレンドか
一見奇抜な「ミストバング」は一体どこから来たのか。鍵は80年代にあります。現在、ファッションから音楽に至るまで80年代がリバイバルしており(シティポップが再流行しているのをご存知ですか)、その影響は髪型にまで及んでいます。
少し前に「シースルーバング」が流行したのを覚えているでしょうか。テレ朝の弘中綾香アナなどが取り入れている、前髪を薄くする髪型です。これは、80年代を代表するアイドル、工藤静香のトレードマークだった、カールした薄い前髪の現代版なのです。
「ミストバング」も80年代リバイバルなのでは、と私は考えています。ドラムを叩いたらロックバンドの「C-C-B」みたいですが、トレンドの流れとしては一緒です。「C-C-B」のもう一つのトレードマークだったアラレちゃんメガネも少し形を変えて、広い世代に流行っています。
ヒカルの碁ヘアは顔周りにカラーを入れているので、毛先を明るくするグラデーションカラーよりもインパクト大です。しかしTPOに合わせ難いため、一部のファッショニスタを除いて、一般層には受け入れられないと思っています。やるとしたら、振り切ってカッコつけたほうがキマります。
同性に支持される人が、ファッションリーダーになる
ファッションの影響は、昔であればテレビドラマなどのメディア、今だと主にSNSに登場する「憧れの同性」から受けることがほとんどです。
かつてキムタクのファッションは、ドラマのたびに注目されて一大現象を起こしていたし、現代では美青年俳優のティモシー・シャラメの最新ファッションは世界中のファンが注目しています。
これはアイドルが、異性だけでなく、同性からの人気も獲得していることを示しています。
ではどうして今、K-POPアイドルが日本人の若者たちの「憧れの同性」になれたのか。「憧れ」のカギは「浮世離れ」と「親近感」のバランスにあります。