明日の見えない自粛期間から一旦の区切りが付いた今日この頃。

 家族以外の人に会う事もできず、たまの外出もスーパーの行き来程度で「どうせマスクするから」とメイクもせず、美容室に行けないうちに美意識も低くなり、とうに根元の白髪やプリンは限界突破している。web会議の四角に収まる自分の姿に辟易して、セルフカラーをやろうか悩んでいる貴方へ。

 私、東京の二子玉川の美容室に勤める30代美容師が、セルフカラーについてのお話をさせていただきます。

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「セルフカラーです」に美容師が渋い顔をする理由

 自粛期間中に既にセルフカラーに目覚めた読者もいるかもしれませんが、美容室で「カラーは自分でしました」と言って、美容師さんに渋い顔されたことはありませんか? 茶髪にしたい時(「おしゃれ染め」と呼びます)も白髪染めも、セルフカラーはデメリットが多く、美容師的にはおすすめできることではありません。

 セルフカラーでは、以下の3つのことが起こってしまうからです。

・セルフはムラになる

・セルフはギシギシになる

・セルフでは狙い通りの色にならない

 なぜこのようなことが起こってしまうのか、解説します。

セルフカラーあるある1:ムラになる

「セルフでしました」と聞いてまず美容師が心配するのは髪の明るさのムラです。セルフカラーがムラになりがちな理由は、自分では薬を均一に塗れないところにあります。薬の量が多いほど染まりやすく、少なければ染まりません。均一に塗れていないセルフカラーでは、こんな事が起きています。

・根元がちゃんと染まってない

・根元が全体より明るくなってる

・白髪が染まってない

・根元より毛先が濃い(暗い)

・なんかヒョウ柄みたいになってる

 美容師がカラーを塗る時は、必ず髪の毛を細かく分け取り、根元、毛先と塗り分けて、薬の量が均一になるようにしています。これを自力でやろうとすると、絶対にムラが出てしまいます。

 塗る部位によって気をつけるべきことも異なります。プリンに見えたくない根元ですが、おしゃれ染めをすると頭皮に近い1cmぐらいの髪の毛は、体温の熱が影響して薬が効きやすくなります。薬は温度が高い方が反応するので、根元から毛先まで全て均一に塗れていても、根元が明るくなりやすいのです。

 なので、美容師が根元に薬剤を塗る際は、薬の量を減らしたり、薬の力を弱めたりといった工夫をしています。

 髪の毛全体よりも根元だけが明るい状態は、ヘアスタイル的にかなりカッコ悪いです。不自然な状態で、違和感を感じると思います。

 今話題のビリー・アイリッシュみたいに(根元明るいミドリ、毛先暗めブラウン)確信犯的にやらないと、全然カッコよく見えません。美容師としても、カラーをする時に絶対起こしたくない失敗の一つです。

©︎操作イトウ

 おしゃれ染めとは対照的に、白髪染めは、根元がしっかりと染まりづらい。理由は「白髪」の特徴にあります。