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外出自粛で人気のセルフカラー 美容師が解説「絶対やらないでほしい3つの理由」

それでもやる場合に、気をつけたいこと

2020/05/31
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 白髪は黒い髪の毛よりもハリやウェーブがあり、ピンピンしています。ピンピンした白髪には薬が付着しにくく、量が少ないと薬を弾いてしまって、薬が付いてない状態になります。このままでは時間を置いても結局染まらず、時間を置くほどにダメージだけ蓄積します。

 こうしたことを避けるため、美容師はベタベタと頭皮に貼り付けるように塗布することで白髪を薬に埋めて、さらに上から紙をかぶせて密着させて白髪が薬から離れないようにしています。

 ムラになった髪を元通りにする事は、基本的にはできません。髪の毛が経験した『履歴』は消えることがないため、ダメージもゼロには戻せないのです。均一に見えるようにカラーを上乗せする事はできますが、その色が抜ければ(褪色と言います)またヒョウ柄が姿を現してしまいます。

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 ちなみに美容師さんは、見ただけで「この人はセルフカラーしてるな」と見分ける事ができているので、「カラーは自分でしました」と言う前に、美容師さんは気付いてたりします。

セルフカラーあるある2:ギシギシになる

 ドラッグストアでは美容室カラーの約1/10の値段で薬が買えますが、セルフカラーの薬は美容師のように複雑な工程ができなくとも満足してもらえるように、『とにかく手軽で安い』『髪色が変わった感じ』が重要視されています。

 言い換えれば、美容師が作るような、細かい色味を作り出すことは困難なため、ヘアカラーしたぞ!というわかりやすい変化が出るように作られているのです。

 ヘアカラーにおけるわかりやすい変化は「明るさ」です。黒から茶色になる変化は見た目にわかりやすく、またそれ自体は安価な薬を使っても再現できて、コストがかかりません。

©︎操作イトウ

 そしてパッケージの裏側の説明には、「明るさは時間で調節してね」といった形で表記されています。美容師は根元と中間・毛先に付ける薬の強さを調節していますが、セルフカラーの薬は強さが一律なので、時間を置けば置くほど必要以上に髪の毛にダメージが蓄積されます。

「しっかり時間を置いて明るくしよう!」

「白髪が染まるように時間をかけよう!」

 としていると結果、ギシギシに傷んでしまうのです。