「誰かと同じ」であることを、カスタムカーオーナーたちは全身全霊で拒絶する。そのコダワリの原点には、一体どんな秘密があるのか?

 今回は、初代エスティマをカスタムする「車バカド派手野郎」さんをご紹介。

車の乗り替えは直感重視。過去にはフィーリングが合わず、納車後すぐに売却してしまった車も

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やっぱり原点は…

 18歳から車を弄りつづけて、このエスティマで46台目になります。買った車は全部弄ってきましたから、人生で車にかけたお金は1億近いですね。もう自分でも、車の病気だと思いますよ。

ダークトーンで統一された初代エスティマ。希少性もあいまって、ただならぬ存在感を放つ

 自分が若い頃は大黒パーキングの全盛期で、あの頃の熱気がずっと忘れられないんですよね。18歳からバニングを7台乗り継ぎ、それからも街道レーサーとかVIP系とか、あらゆるジャンルに手を出しましたが、やっぱり原点は当時の大黒にあるんです。

リアゲートを開けた荷室には「大黒仕様」の自作ステッカー

 長年弄ってきたプライドじゃないですけど、カスタムの際には一切ショップに出さず、全部自分たちの手でやっていて。お金を使うよりも頭と手を動かして、DIYでどこまでやれるか、それが自分なりのテーマなんですよ。最終的には、自分で仕上げた車を東京オートサロンに出すのが目標ですね。

 もちろんこれは自己満足でもありますが、若い人たちに「DIYでもここまでできる」って伝えたい気持ちもあります。今でもイベントやSNSを通じて、若い人たちから「自分も乗ってみたい」という反応はあるんですけど、やっぱりお金の面で手を出せない人も多いんですよね。

スーパースター製のブラックホイールで足元を引き締める

 今は改造車に対する風当たりも強いですし、物価もどんどん上がって、カスタムのハードルは高くなっているとは感じます。ただそのなかで、日本車も日本の若者も元気だった時代の熱といいますか、その勢いを少しでも今に残したい気持ちがありますね。

 私自身は子どもが6人いますけど、親の影響なのか、車に対してはかなり好意的ですね。一番上の子はもう子どもがいて、二番目も専門に通っているので一緒に出かける機会は少ないですが、下の4人はいつもイベントに連れて来ていて。

後部座席に設置されたチャイルドシート。日常の足は別にあるが、イベントの日には子どもたちを乗せることも

 この前は「パパが死んだらパパの車に自分が乗る」とも言われましたね。父親が夢中になってきたものを、ちゃんと見てくれていたんだなって、ちょっと嬉しかったんですよ。

SNSやYouTubeを始めてからはアンチコメントも寄せられるように。それでも新しいつながりを大切に活動している

 実際これまで46台も弄ってきて、手元にあるのはこのエスティマだけなんで、「もっと残しておけばよかったな」とも思うんですけど。でも結局、この先も色んな車を弄っていくのは止められないんでしょうね。

次の記事に続く 「やっぱり『人と違う車に乗りたい』という気持ちは抑えきれません」角が生えたようなド派手な大型車“バニング”に乗る父…妻と息子はどう思っている?

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。