「誰かと同じ」であることを、カスタムカーオーナーたちは全身全霊で拒絶する。そのコダワリの原点には、一体どんな秘密があるのか?

 今回は、『クレヨンしんちゃん』仕様のバニングに乗る「土建屋岡ちゃん」をご紹介。

バニング仕様に仕上げられたハイエースに『クレヨンしんちゃん』のイラストを追加

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幼い頃の強烈なインパクト、今は自分が再現

 私の出身は北海道なんですが、小さい頃は近所によくバニングが走ってたんですよ。子ども心にインパクトが強烈で、「いつか自分もああいうのに乗りたいな」と、ずっと憧れがあったんです。

 免許を取ってからは色んなジャンルの車に手を出して、これまで13台くらいに乗ってきました。最初はノーマルのまま乗っていましたが、やっぱり「人と違う車に乗りたい」という気持ちは抑えきれませんでしたね。

「還暦過ぎても弄っているかも」と冗談めかす

 この車は、仲間のツテで特別に譲ってもらったもので、当時からバニングとして仕上がっていたんです。ただ、しんちゃんの絵は納車後に自分で入れたものなんですよ。

 もう長いこと春日部の近くで単身赴任しているので、「春日部=しんちゃん」でしょうと。仕事がゼネコン関係ですし、地域性を大事にしたい気持ちもありますね。

エッジの効いたエアロパーツと、ゆるいタッチが好対照をなしている

 日常の足は別にありますから、この車に乗る機会はあまりないのですが、たまに遊びに出かけると注目度がすごいんです。コンビニから戻ったら車に人だかりができていて、騒ぎを聞きつけてパトカーまで来ちゃったり。

 反対に、家族のリアクションは割と淡泊といいますか。家族は北海道に住んでいるので、会えるのは長期連休のときくらいなんですよね。

室内は明るいグリーンとホワイトを基調に仕上げる

 子どもはもう社会人になりますが、車にはまったく興味がなくて。ほんとに小さい頃はトミカでたくさん遊んでいましたけど、いつのまにか鉄道の方に興味が移り、そのまま戻ってきませんでしたね。

広大な室内をくまなくドレスアップ。ほかでは味わえない異質な空間だ

 妻も「乗れれば何でもいい」というスタンスですが、私の趣味には何も言ってこないんです。もう長年の付き合いですし、そこに理解がなければ一緒にはいられないでしょうしね。まぁ単純に、呆れられているだけかもしれませんが……。

 子育ても終わって家族と過ごす時間は少なくなりましたけど、そのぶん車関係の付き合いは密になっていますね。仕事も趣味も一緒にやっている仲間と、休みの日にバーベキューをしながら車を弄ったり。

25年ほど単身赴任生活を送り、今は春日部近辺に暮らす。しんちゃんのイラストは地域への愛着の証だ

 イベントも家族連れの仲間が多いので、いつも20人近い大所帯なんですよ。車弄りそのものも楽しいですけど、そういう関係のなかでワイワイやるのも生きがいになっていますね。

次の記事に続く 「最初は見るだけだったんですけど…」ハイエースのカスタムに夢中、3児を育てる“赤髪ママ”が車の改造にハマった“意外な経緯”《写真多数》

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。