昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

第163回芥川賞は高山羽根子さん『首里の馬』、遠野遥『破局』のダブル受賞、直木賞は馳星周さん『少年と犬』に

 7月15日、第163回芥川龍之介賞と直木三十五賞(いずれも日本文学振興会主催)の選考会が東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は高山羽根子さんの『首里の馬』(「新潮」2020年3月号掲載)、遠野遥さんの『破局』(文藝 夏季号)が選ばれ、直木賞は馳星周さんの『少年と犬』(文藝春秋)が選ばれた。

左から芥川賞の高山羽根子さん、遠野遥さん、直木賞の馳星周さん

高山さんは“三度目の正直”、遠野さんは初ノミネートで受賞

 高山さんは、1975年生まれ。多摩美術大学美術学部絵画学科卒。2010年『うどん キツネつきの』が第1回創元SF短編賞の佳作に選出され、同年、同作を収録したアンソロジー『原色の想像力』(創元SF文庫)でデビュー。第160回芥川賞での『居た場所』(「文藝」2018年冬号掲載)、第161回『カム・ギャザー・ラウンド・ピープル』(「すばる」2019年5月号)に続く3回目の候補入りだった。

高山羽根子さん

 遠野さんは、2019年『改良』で第56回文藝賞を受賞し小説家デビュー。今回の『破局』は初の芥川賞候補入りで受賞となった。

遠野遥さん

馳さんは7回目のノミネートだった

 馳さんは、1965年生まれ。横浜市立大学卒業。文芸評論家として活動していた1996年に、『不夜城』で小説家デビュー。中国人マフィアの勢力争いをする新宿歌舞伎町を舞台に、日本と台湾ハーフの男性を描き、第116回の直木賞候補に。以後、第120回に『夜光虫』、第122回に『M』、第130回に『生誕祭』、第138回に『約束の地で』、第153回に『アンタッチャブル』で直木賞候補入りしており、今回は7回目のノミネートだった。

馳星周さん

 芥川龍之介賞・直木三十五賞は、菊池寛(明治21年~昭和23年)が昭和10年に制定したもの。芥川賞は雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品、直木賞は新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)のなかから、最も優秀な作品にそれぞれ贈られる。正賞は懐中時計、副賞は100万円。

 現在の選考委員は、小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・平野啓一郎・堀江敏幸・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一の各氏(芥川龍之介賞)、浅田次郎・伊集院静・角田光代・北方謙三・桐野夏生・髙村薫・林真理子・三浦しをん・宮部みゆきの各氏(直木三十五賞)が務めている。

 今年1月に発表された、第162回の芥川賞は古川真人氏の『背高泡立草』、直木賞は川越宗一氏の『熱源』が受賞した。

■第163回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)※作者五十音順・敬称略

石原燃「赤い砂を蹴る」(文學界 6月号)
岡本学「アウア・エイジ(Our Age)」(群像 2月号)
高山羽根子「首里の馬」(新潮 3月号)
遠野遥「破局」(文藝 夏季号)
三木三奈「アキちゃん」(文學界 5月号)

■第163回直木三十五賞 候補作(出版社)※作者五十音順・敬称略

伊吹有喜「雲を紡ぐ」(文藝春秋)
今村翔吾「じんかん」(講談社)
澤田瞳子「能楽ものがたり 稚児桜」(淡交社)
遠田潤子「銀花の蔵」(新潮社)
馳星周「少年と犬」(文藝春秋)

この記事の写真(7枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー