新型コロナウイルスの感染拡大の影響による経営難から、看護師らに対し、「上半期賞与については支給しないと決定しました」と6月に文書で通告していた東京女子医大病院(東京都新宿区)が、一転して、夏季ボーナスの支給を検討することが分かった。
7月15日付の理事長、学長、病院長らの連名による文書で、教職員に通知した。
文書によると、病院側が全教職員から募集していた「業務改善への提案」について、200件以上の提案が寄せられたと報告。「多くの教職員の皆様が本学の窮状を理解し、状況を少しでも好転させようと真剣に取り組んでいただいている」と、看護師らへの謝意を示した。
その上で、夏のボーナスの原資についても、「新型コロナウイルスの影響で経営が悪化し困窮している医療機関が、無担保かつ低金利等の好条件で借り入れできるようになり、具体的には、福祉医療機構よりの資金調達が可能となりました。(中略)一昨日、融資の内定をいただくことができ、夏季賞与の原資にある程度の目途が立ちました」と説明した。
7月中に予定されている理事会で検討
最終的な支給の決定については、7月中に予定されている理事会で「再度、夏季賞与について、前向きに検討を進めて参ります」とした。
病院側は6月12日付の文書で、増収策やコスト削減案などの「業務改善案」を募集。「実効性のある提案書を提出された部署(部門)に対して、8月を目途に賞与に代わる何らかの手当支給ができるか検討して参ります」としていた。
また、400人以上の看護婦が退職を希望しているとの報道については、7月17日に「マスコミ等による報道について」と題した文書を教職員に通知した。