コロナの影響で、テレワークの導入が確実に進んでいる。そんななかアメリカに本社をもつツイッターではCEOのジャック・ドーシーが「在宅勤務を恒久化する」と打ち出した。日本法人もそれに続くのだろうか。

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Q.ツイッタージャパンでも在宅勤務を恒久化する可能性はありますか?

<ジャック・ドーシーが「在宅勤務を恒久化する」と発表しました。そのニュースに社員も驚きました。同日にジャックからメールが届いていたのですが、先にニュースで知った社員も多かったのです。ただ弊社では以前から、自由な環境で生産性を高めようということで在宅勤務は推奨されていました。>@yusasamoto

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“あのニュース”に社員も驚いた

Twitter Japan代表取締役の笹本裕さん

「ツイッター社が永久に在宅勤務を認める」というニュースが出ました。実は、あのニュースはぼくらにとっても衝撃的なニュースでした(笑)。

 同日に創業者兼CEOのジャック・ドーシーから社員全員に「今後は恒久的に在宅勤務を認める」というメールも届きました。アメリカと日本では昼夜がほぼ逆なので人によってはその記事を先に見た人も多くいたはずです。

 このニュースに対しては、いろいろな見方があると思います。人によっては「なんてすばらしい会社なんだ!」「海外のリゾート地からでも仕事ができるのか!」と思う人もいるでしょう。一方で「ずっと在宅はしんどいから、そろそろ会社に行きたい」という人もいる。そういう人にとっては「半永久的に在宅」と言われるのはつらいことかもしれません。

 ただツイッター社では、2年ほど前から会社のオフィススペースに依存しない仕事のやり方を模索していこうという考えは社内的に発表されていました。もちろん、エンジニアなどのリモートでも仕事ができる人たちと、営業のようにお客さまと対面しないといけない人では違ってきますが、やはりツイッターとしてはサンフランシスコの本社でも東京でも、渋滞や満員電車でぎゅうぎゅう詰めになって通勤して生産性が落ちるよりは、もう少し自由な環境で生産性を高めたほうが結果的に事業の成果は上がるんじゃないか、という考え方がもともとあったんですね。

 

日本法人としての対応は

 日本法人としては、いきなり恒久的に在宅勤務にするわけではなくて、とりあえず9月までは在宅勤務で、それ以降は社員の選択に委ねることにしました。

 ぼくも最初にジャックからのメールを見たとき、真っ先に「よし、東京を脱出して、違うところで仕事ができたらなあ!」と思いましたが、当然ながら私なんかはそんな承認は得られないと思うんです(笑)。社員一人ひとりの状況や希望を聞いて対応していく、ということになるでしょう。

 他社さんでは、これを機会にオフィススペースを縮小したり、出社の曜日を分けたりするところもあるそうですが、いまのところそれは考えていません。ただ、やってみないとわからないというのが正直なところではあります。実際、恒久的な在宅勤務を希望する人が多くて、オフィスのスペースに余裕が出てきたときに、そこを何か違う目的に使うという考え方もあるでしょう。一方で、事業の推移にもよりますが、順調に成長していくということであれば、当然人員も増やさないといけないので、オフィスを縮小するということはありません。

 

(【初回】ツイッター社長に聞く「そもそも就活のとき、なぜリクルートを選んだのですか?」 を読む)

構成=竹村俊助 @tshun423
写真=杉山秀樹/文藝春秋