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大学関係者に取材すると、キャンパス内には看護師の養成課程があり、今後、医療機関への実習を控える学生もいることから、早々に「全員検査」が決まったという。
今回の大規模検査について、地元の公衆衛生関係者は複合的な要因を指摘する。
「これまでの感染者の大部分が松江のガールズバーのクラスターで感染したので、住民にクラスターの恐怖が浸透していたことも大きい。それに検査体制も、それなりに増強されていたことに加え、感染者が出たのが2カ月ぶりで余裕があったことも要因ではないか」
「全員陰性」でも広がる反応
ただ、検査を受けた全員が陰性だっただけでは、女子大生をめぐる騒動は幕引きとはならなかった。出雲市内で話を聞いてみると、その後も対応が続いていることが分かった。
「女子大生のアルバイト先の焼き鳥屋で食事をしたことがある男性が自主的に自宅でこもっている」(60代、女性)
「地元のスポーツ大会開催が今回の騒動で吹っ飛んだ」(70代、男性)
「今回の感染者判明で、自治会の集まりが中止になった」(70代、男性)
「女性と言うだけで、コンビニでレジに並ぶと爺さんがビクッとする」(40代、女性)
さらに深刻なのが、個人についての噂の数々だ。「アルバイト先のホームセンターでは〇〇を担当していた」「彼女は、大学や周囲には内緒にしたまま東京に出かけていたらしい」「あの子は(県内の)〇〇出身で間違いない!」などと、もっともらしい話がたちまち広がった。
大学関係者でもない四囲の住民が、見てきたかのように女子大生の素性を語りまくる。しかし、詳しく聞いてみると、その情報に何一つ裏付けはなかった。