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たった1人の感染者が地方都市にコロナを持ち込むとどうなるか?《島根で実際に起きた“舞台クラスター”波及騒動》

知事が会見、関係施設は封鎖、600人がPCR検査、広まるデマ……

2020/07/23
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「よそからウイルスを持ち込むと大変なことに」

 すでに政府の緊急事態宣言が解除されており、東京への往来は個人の自由だ。ましてやアルバイト先で何を担当しようと、出身地がどこであろうと、全くもって関係のない話ではないか。女子大生は、新宿の“劇場クラスター”で新型コロナに感染してしまった、あくまで被害者だ。

「当初、ホームセンター以外の店でバイトしてたんじゃないかって、噂が流れてマジでその店は客が来てなかった」(30代、男性)と、女子大生と全く無関係の店にまで、風評被害は及んでいた。

一時閉鎖された県立大学のキャンパス(筆者撮影)

 

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 関係者によると感染した女子大生はその後も無症状で、近く退院する見込みだという。最初に一報をくれた知人が語る。

「これが田舎なんだ。人口密度が低く、ホストクラブもない。普通の生活をしていれば、感染の機会はまずない。世の中は『ウィズ・コロナ』というが、田舎ではまだ珍しい。だから、よそからウイルスを持ち込むと大変なことになるよ」

 東京で感染し、地方に広げる。島根での大騒動は“新しい感染様式”の一例に過ぎない。

たった1人の感染者が地方都市にコロナを持ち込むとどうなるか?《島根で実際に起きた“舞台クラスター”波及騒動》

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