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負けた悔しさは焚き火で燃やす……バイきんぐ西村 ひとりキャンプでカープ応援術

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/07/30

 広島出身というのもあり、物心がついた頃からカープファンだった。両親も大ファンで、おじいちゃんに至っては目も耳も悪かったので、テレビの30センチくらい前でイヤホンをつけながら中継を楽しんでいたのをよく覚えている。

 小学生の頃には、友達と一緒にナイターの試合終わりの達川光男さんを出待ちしたことがあった。達川さん、球場にママチャリで来ていて。生意気にも「サインくれや!」と追いかけ回していたら「えぇかげんにせぇよ! 親に心配されるじゃろ! はよ帰れ!」と叱られたのも今となっては良い思い出だ。

バイきんぐ・西村瑞樹

約束を果たしてくれた大瀬良投手

 さて、最近は“キャンプ芸人”としても定着してきて、テレビやラジオに呼んでもらえるようになった。YouTubeも始めた。キャンプ中毒じゃないかというほど、日々、キャンプのことばかり考えている。野球ファンにとってキャンプといえば、2月1日からスタートする方を思い浮かべると思うが、僕の場合、野球ではなく野営の方だ。

 5年前にヒロシさんに連れて行ってもらってから、どっぷりとハマってしまった。そして、好きが講じて、テレビ新広島さんで『西村キャンプ場』という人生初の冠番組を持たせてもらっている。僕がいろんな場所に行って、趣味のキャンプをただ楽しむという最高の番組だ。

 今年の2月、番組ロケで、カープのキャンプ地である宮崎県日南市に行って、実際にキャンプをするという企画をやった。主な目的は大瀬良大地投手にキャンプ飯を差し入れすること。その日獲れた初ガツオをカツレツにして振る舞った。

 その際に、番組テーマ曲「キャンプだホイ」を打席で流してくれないですかね?とダメ元で聞いてみたら、「いいですよ」とすんなりOKしてくれた。そのときは社交辞令だろうと思っていたが、7月17日のヤクルト戦、1打席だけだったが本当に流してくれたのだ。テレビで見ていて一人興奮したのだが、そのときカメラで抜かれていた客席のファンはちょっと半笑いだった。気になる結果の方は、初球セカンドゴロ。しかし、この日はカープが快勝したので良しとしよう。

長野選手が番組ロケで見せた男気

 ありがたいことに番組を見てくれている選手も多いようで、キャンプの練習をスタンドから見学していたら、僕の存在に気がついた小園海斗選手が「♪キャンプだホイホイホイ」とテーマ曲を口ずさんでいた。他には田中広輔選手も「番組見てます」と話しかけに来てくれて。それならと思い「ぜひ、オフに出てください!」とオファーしたら、「いや、それはちょっと……」と断られてしまった。

 そんな中、長野久義選手が番組にゲスト出演してくれたのだ。あの長野選手が。しかも、まさかの逆オファーで。いつも番組内で僕は“西村キャンプ場”という立て札をリュックに刺して移動しているのだが、長野さんも番組が用意した“長野キャンプイン”という立て札をノリノリで使ってくれた。初めはどんな人なのかと緊張していたが、めちゃくちゃ礼儀正しくて、スマートで、男気があってかっこよかった。