7月28日の楽天戦(ZOZOマリンスタジアム)で井上晴哉内野手が1試合3本塁打をマークし、試合を制した。ロッテの日本人選手で1試合3本塁打は1990年8月18日のオリックス戦(札幌円山)で初芝清氏(現野球評論家)がマークして以来の快挙となった。8月11日の日本ハム戦。中継解説のためZOZOマリンスタジアムに訪れた初芝氏を訪ねた。

実況席での初芝清氏と実況の田中大貴氏 ©梶原紀章

3打席連続本塁打の要因は「お風呂」?

「覚えているよ。懐かしいな。泊っているホテルのお風呂がユニットバスではなくて浴槽と体を洗うところが別にあって広々としていたんだよ。プロに入って、あんなに広い浴槽に入ったのは初めてでねえ。テンションが上がって、外出もせず、思わずのんびりしたんだよ。その効果かなあと今は思うね」

 ミスターマリーンズとも言われる男は、3打席連続本塁打の要因に、想像もしていなかった出来事を挙げた。この試合を振り返ってみると、13時31分に始まったデーゲーム。1打席目、左腕の星野伸之投手のフォークを左中間に運ぶと2打席目もストレートを左中間まで飛ばした。さらに3打席目は代わった山内嘉弘投手のスライダーをカウント3-1から見事にレフトスタンドに持って行った。これがマリーンズ伝説の3打席連続本塁打である。

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「プロ2年目で2打席連続も初めてだった。嬉しかったねえ」と初芝氏。そんな同氏は昨年、社会人野球セガサミーの監督を退任後、野球評論家などの活動を精力的に行っている。そして退任し時間が出来たタイミングで始めたもう一つの事は懐かしのテレビゲームだった。

ドラクエをクリアして学んだこと

「プロに入ってすぐだったか、社会人の頃だったか忘れてしまったけどドラゴンクエストⅡを最後のラスボスを倒せずにやめていたのを思い出して、再開することにした」。フットワークの軽い初芝氏は自宅の地下室に眠っているであろうファミコンのテレビゲームを見つけだした。驚いたのはソフトと同時に当時、書いた復活の呪文も綺麗に保存されていたことだった。

「ドラクエⅡの復活の呪文、知っている人なら知っていると思うけど、めんどくさかったね。当時はゲームにセーブ機能なんてなくて50文字以上の長いパスワードを入れないと自分が進めたところから再開出来なかった」(初芝氏)