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2020/08/18

故障からの復活、名勝負を予感させる宿敵との対峙

 6月の開幕へ向けて、ナインが甲子園に再集合した日、背番号29の姿はなかった。後にコンディション不良で実戦登板できる状態にないことが明らかになった。1年目に続き、志半ばでの離脱。そこから約2カ月、キャッチボールから再び肩を作り、球団の作成するリハビリメニューを地道にこなしていった。

「1年目も3年目も、期待してもらってる中でケガして。申し訳ないっていうのがすごくあったんですけど、切り替えて鳴尾浜でいろんな人、トレーナーさんにもすごいお世話になったので。そういった人のために今日は思い切って行った」

 ようやくたどり着いた2020年の初陣は、気温以上の「熱」を感じた。5回2死一、三塁のピンチで149キロ直球を投げ込んで陽岱鋼を空振り三振。汗を散らしながら「おっしゃ!」と叫んだ。さらに昨年、対戦打率.333、チームとしても今季は痛打を浴び続けていた主砲の岡本和真を3打数無安打。こんな話を本人から聞いていたから、余計に凄みを感じた。

「よく打たれましたけど、昨年、岡本に投げる時が一番ワクワクしたんですよね。楽しかった。ミスしたら大きいのを打たれる。自分の中ですごくスリルがあって」。リベンジ成功……とは違う。このマッチアップは、未来にも続いていく。故障からの復活、名勝負を予感させる宿敵との対峙……いくつもの「ストーリー」を背負っている。

 7回3安打11奪三振無失点で今季初勝利。自軍の同一カード3連敗を止めて見せた。一体、どんな投手になっていくのだろう――。この夜も高橋遥人は、たくさんの人の心を躍らせたはずだ。“ワクワクを運ぶ”魅惑のサウスポーからやっぱり目が離せない。

©スポーツニッポン

チャリコ遠藤(スポーツニッポン)

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