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 安楽死を望む患者女性にとって、付添人の問題は大きかった。彼女はその後もこんなツイートをしている。

患者女性《スイスに行くにも付添い人が幇助罪に問われるのでどうにか抜け道を探さないといけません》(2019年1月27日)

患者女性のツイート

「それでも彼女の死にたいという思いは変わらなかった。だから《“消極的安楽死”を選択できる緩和ケアの先生に相談したほうがいい》ということを伝えました」(くらんけさん)

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 “消極的安楽死”とは、終末期にある患者が自らの意思で延命治療を中止し、死期を早めることを指す。一方、致死薬などを用いた死期を早める行為は“積極的安楽死”と呼ばれ、関わったのが医師や看護師であっても嘱託殺人罪や自殺ほう助罪に問われることがあるのだ。 

「主治医に“消極的安楽死”について相談できれば一番よかったのですが、当時、患者女性は主治医や介護スタッフと信頼関係が築けている状態ではないようでした」(同前)

患者女性《飲食拒否の希望を伝えてから次の金曜の話し合いまで2週間やり切れない思いで待っている 今すぐ死なせてもらえないのを、苦しい思いを一人で抱えているのが辛くてつい誰かのせいにしたくなる。あかんあかん、、、最期くらい立派とはいかないまでもマシな人間にならなあかん!》(2019年9月10日)

患者女性のツイート

大久保容疑者はくらんけさんを“師匠”と呼んでいた

 くらんけさんが振り返る。

「主治医と相談して消極的安楽死をすることはできそうになく、それで頼ったのが先生(大久保容疑者)だったのでしょう。私が先生と知り合ったのは、患者女性と知り合うもっと前なんです。お互いに相互フォローの関係で、いつしかDMでもやりとりを交わすようになっていました。

 先生はなぜか私の事を“師匠”と呼んでいて、非常に良くしてくれました。前澤友作さんのお年玉企画があった時は、スイスでの安楽死を目指していた私に《当選したら師匠に貢ごうと思ってたんですよ》と連絡をくれたこともあります。つい最近も、私の住んでいる地域が豪雨に見舞われ、先生から『大丈夫ですか』と心配のDMがきた。非常に感じのいい人だなと思っていました。だから、逮捕のニュースが流れて驚きました」