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2020/07/29

すべての感染爆発はローカルエリアから始まる

──連日のように「東京都で感染者が300人を超えた」とか「全国で過去最高の感染者」などと報道されると、私たちはどうしても不安にさせられます。しかし、検査の対象基準が変わったことで陽性者数が増えたのだとすると、ニュースでそうした数字を見ても、慌てないことが大切ですね。

徳田 そうです。しかし、新宿など陽性者数が多く、陽性率(検査数に対する陽性者数の割合)が高いエリアは別です。そういうエリアでは感染が蔓延しており、発症者も多いと考えるべきです。それに、感染者が増えれば、重症者や死亡者が増え、医療機関も逼迫してくる。すべての感染爆発はローカルエリアから始まります。平静に受け止めながらも、徹底した封じ込め対策をそのエリアで行うべきです。政府が責任を持って、検査・追跡・待機保護の拡充・整備を徹底すべきです。

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3~5月のほうが感染者の山は大きかったはず

 7月に入り、1日の陽性者が3~5月の第1波の数を超えましたが、3~5月の頃は検査対象を絞っていたわけですから、数字に表れた陽性者数よりも本当はずっと多い感染者がいたはずです。以前もインタビューで話しましたが、軽症者・無症状者の割合や、PCR検査の「偽陰性」の割合などから逆算して、第1波のときの実際の感染者は陽性者数の約10倍以上いたと推測されます。(「5人中4人が無症状とも……現役医師が訴える「“三密自粛”だけでは、もう医療崩壊を防げない」2020年4月10日」)

 新宿で「夜の街」の感染拡大が問題になってからは、軽症者や濃厚接触者も積極的に検査するようになりました。感染者の捕捉率が高くなっているはずですから、現在数字に表れている陽性者数は、第1波のときよりも感染の実態に近い数字になっていると考えられます。つまり、7月25日時点での比較では同じくらいの陽性者数ですが、本当は、3~5月の第1波の頃のほうが、感染者の山は大きかったはずです。このように、検査基準が異なるデータを単純比較はできません。しかし、このままの戦略では今後、感染者の山がさらに大きくなる可能性は大です。

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