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2020/07/29

「死者数がアジアでワースト3」という事実

──ただ、多くの感染者を見逃してきたかもしれませんが、日本の感染者数や死亡者数は、欧米に比べると低い水準で留まっています。なぜだと思いますか?

徳田 山中伸弥先生なども指摘しているように、まだ明らかになっていない「ファクターX」もあるのでしょう。あるとすると、私はマルチファクター(複数の要因)だと思いますが、一番大きいのはマスクだと思います。それに、握手やハグをしない日本独特の国民性もあるでしょう。さらには、よく言われているようにBCGの接種や旧型コロナの事前の流行が、少し免疫をつくったのかもしれません。ウイルスに結合する受容体の構造の違いなど遺伝的要因もあるかもしれない。それから、新型コロナリスクの一つに肥満がありますが、日本では太っている人が少ないことも関係している可能性がある。

©iStock.com

 こうしたファクターXの存在を信じている人は専門家でも多いようです。それが、政府が自粛要請を出さず、GO TOトラベルを許している理由の一つでもあると思います。ただし、アジアでの人口当たりの死者数で見た時、日本はインドネシアやフィリピンに次ぐワースト3に入っています。他のアジア諸国は、封じ込めに成功している。成功していないのは、日本を含めたこの3国くらいなのです。

 それに、先進国の年齢調整平均致死率が0.7%ですので、日本の0.5%という数字がそれほど低いわけではないのです。ですから、政府は「ジャパンモデル」なんて恥ずかしいことを言わないほうがいい。そもそも、コロナ対策の評価は欧米と比べるべきではなく、もともと遺伝的体質や生活様式が似ているアジア諸国と比較するべきです。むしろ逆に、なぜワースト3になったのか、これまでの戦略を検証し、見直すべきだと思います。

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