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深く記憶に刻まれた「酷かったホテル」ワースト5

 前置きが長くなったが、前述の通り372軒のホテルの中には印象深いホテルがいくつかあった。中には名前が変わった施設やホテルそのものが無くなってしまったところもある。通して言えるのは、素晴らしかったホテルというよりも、酷かったホテルの方が愛おしい記憶として深く刻まれているということだ。いくつかエピソードを紹介したい。

※表記は、順位/ホテル名/客室番号/ホテル種別/宿泊年月(いずれも2014年)の順
※ホテル名はイニシャルのみ。すでに廃業した1軒のみ実名で記した
※拙著「365日365ホテル上」(マガジンハウス)より一部引用

第5位 Kホテル 325号下段 カプセルホテル 2月某日

 激しい雨の深夜、ホームタウンの繁華街を抜けた辺りの古いカプセルホテルへ。入口にはなぜか巨大な馬の木彫りが鎮座。ロッカーは323番の隣が416番とバラバラでいまいちルールがわからないキライはあるが休憩室は盛況だ。「製氷機の中に物を入れないで下さい」という貼り紙に思わずびっくり。

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「製氷機の中に物を入れないで下さい」

 カプセルホテルではこんなことを注意するのか?という多様な注意書きが見られて楽しい。サウナへ行くための階段は雨漏りがひどくてケロリン桶が並べられていた。

雨漏りがひどく階段に並べられたケロリン桶

「サ道」(テレビ東京系)というドラマが流行ったが、こうした施設にはコアな常連サウナファンが通う。施設の目新しさも大切かもしれないが、重要なのは発汗し“整う”かどうかだ。世の中には、安く泊まれて熱いサウナと冷たい水風呂があればいいじゃないか、という考え方もある。