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「コロナ!」の罵声で引っ越しせざるを得ない人も

 感染者ゼロというプレッシャーはこの地に重くのしかかっているようだ。県外の人を排斥するような言動は、宿泊施設関係者にとって他人事では済まされない。

©iStock.com(画像はイメージです)

「岩手でも、最近は “コロナ対応”で葬式をすることもあるんです。感染者がゼロなのに、万が一のことがあってはいけないということで、葬式には親族以外は立ち会わない。生活が制限されて『なんで私たちが』という被害者感情が芽生えるのでしょうね。この前、東京から帰省した人が、近隣住民から『コロナ!』と罵声を浴びて引っ越しをせざるを得なくなったという話を人づてに聞きました」(岩手県中西部の旅館経営者)

「3.11」を思い返す大船渡の旅館経営者

 Go Toキャンペーンから東京が除外されたのには、こうした不安の声もあったのだろう。東京除外の発表で、沿岸地域で家族経営の旅館を営む男性は安堵したという。

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「東京除外は、正直ありがたいと思っています。ただ、私たちの地域は3.11で大きな被害を受けた時に東京の人にたくさん助けてもらった。だからもどかしい気持ちにもなります。いま、コロナの震源地として目の敵にされている新宿からも毎年復興の手伝いをするため泊まりに来てくれていた人がいるので、非常に心苦しいですね」

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 前出の100年続く老舗旅館関係者もこう語っていた。

「東京対象外は正直、嬉しいです。東京からの客はしばらくいらないと思っていましたから」