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 しかし、東京が除外されたことで「正直痛手です」と落胆する宿泊施設関係者もいる。盛岡市で旅館を経営する男性は、Go Toトラベル事業に「賛成です」としたうえで次のように語る。

「Go Toに『反対』と言える旅館がうらやましい」

「旅行業は関係業者が多く、裾野の広い業種なんです。Go Toトラベル事業は宿泊施設だけでなく、宿に食材を卸してくれる業者や、高速道路やサービスエリアを運営する会社への救済措置でもあったはず。東京から岩手まで車で来ようと思ったら往復で3万円近くしますから、Go Toキャンペーンの対象かそうでないかは客足に直接響きますよね。東京の人が来れなくなることで、旅行者の母数が縮小してしまうのは目に見えている。感染は怖いけど、岩手の旅行産業全体を考えると来てほしかったという気持ちがあります」

©iStock.com(画像はイメージです)

 Go Toトラベルの予算は総額1.7兆円。国をあげた大規模な観光支援キャンペーンは、資金繰りに困窮していた小規模な宿泊施設にとっては希望の光だった。

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「うちは、月400万円程度で経営している小さな旅館です。でもこのコロナ危機で3000万円の借金を抱えました。売り上げは前年比10%です。その借金も、数カ月程度しかもたないので本当に困っています。今、ギリギリで運営できているという状況なので、Go To事業に『反対』と言える旅館は本当にうらやましい。感染してもいいからお客さんに来てもらいたい……というのが正直なところです」(盛岡市街地にある旅館関係者)