「旦那は1年くらい無職だったと思います。その間も未希は仕事を転々としながら家族4人の家計を支えていて、時には『金稼いできた』と風俗で働いたことを報告しに来ることもありました」

 そう語るのは、兵庫県神戸市で起きたボーガン殺人未遂事件の容疑者・樽井未希(33)の親族男性だ。

 7月26日午前6時前、神戸市兵庫区の閑静な住宅街で事件は起きた。樽井容疑者は自宅アパートで寝ていた夫(36)の頭部めがけてボーガン(洋弓銃)で矢を放ったものの、矢は頭部をかすめて命中せず、夫の首を包丁で切り付けて殺害しようとしたのだ。目覚めた夫が包丁を取り上げ、樽井容疑者は自ら110番通報。駆け付けた警察官によって現行犯逮捕された。犯行時、小学生と未就学児の息子2人は別室で寝ていたという。

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現場となった兵庫区夢野町のアパート ©文藝春秋

「夫は首の右側に2~3センチメートルの切り傷を負っていました。カーペットの床が赤くなっていて、血の付いた包丁が落ちていた。警察が現場に到着したときは夫婦で言い争っている様子もなく、樽井容疑者も容疑を認めおとなしく逮捕されたそうです」(捜査関係者)

「新型コロナウイルスで失業しイライラしていた」

 樽井容疑者は取り調べのなかで、6月4日に兵庫県宝塚市で家族ら4人がボーガンで殺傷された事件を「真似した」と供述したという。地元記者が説明する。

宝塚市のボーガン殺傷事件で6月6日、送検される野津英滉容疑者 ©共同通信社

「容疑者は宝塚の事件に着想を得て、ネットでボーガンを購入したようです。逮捕当時は夫婦そろって無職でした。妻は直近で複数のアルバイトをしていたことが確認されていますが、夫が働いていた形跡はありません。容疑者は犯行の動機を『新型コロナウイルスで失業しイライラしていた』と説明しています」