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サンドウィッチマンを鍛えた高校ラグビー部「先輩を笑わせないと帰れない日々」《恩人を直撃》

サンドウィッチマンを鍛えた高校ラグビー部「先輩を笑わせないと帰れない日々」《恩人を直撃》

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 鋭いツッコミの伊達みきお(45)と独特なボケの富澤たけし(46)。コワモテの風貌ながら親しみのある笑いで、老若男女に支持されているお笑いコンビ・サンドウィッチマン。

若き日のサンドウィッチマン(ワッキー貝山さん提供)

「文春オンライン」の好きな芸人ランキングでも2連覇中で、昨年は2位の明石家さんま(746票)を大きく引き離す1382票を獲得した。M-1グランプリを獲得して全国区の人気となって13年。いまやその好感度を武器に、テレビのレギュラーを15本抱える人気お笑いコンビとなった。

 そんな彼らの笑いの原点を探ると、サンドの2人が高校のラグビー部で出会った一人の先輩に辿り着いた。(全2回の1回目/後編に続く)

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10人以上の先輩の前で芸を披露して…

 宮城県仙台市で育った2人が知り合ったのは仙台商業高校(同市泉区)のラグビー部だった。2人の人生を左右することになる先輩、1学年上の芳賀史明さんとも、この部活動で出会っていた。

 身長180センチ、体重120キロという体格で、プロレスラーを目指していた時期もある芳賀さんは現在、仙台にある葬儀関係の会社でサラリーマンとして働いている。芳賀さんが当時のサンドとの出会いを振り返る。

M-1グランプリ2007優勝時のサンドウィッチマン、伊達みきお(左)と富澤たけし(右)

「ラグビー部で、僕はスクラムの一番前の『プロップ』というポジションをやっていたら、新入部員の伊達や富澤も同じポジションに入って来たんです。2人とも背格好が似ていたのを覚えています。彼らにラグビーのセンスがあったかわかりませんけど、3年間とにかく体だけは鍛えた(笑)。当時は弱小チームでしたから、あいつらは3年間で2回しか勝てていないはずです」

 M-1王者の才能を磨いたのは、もちろんラグビーの練習ではなく、練習後の部室で行われる伝統のイベントだった。

 伊達は後のインタビューで「お笑いを学んだといったら高校時代、ラグビー部の部室での会話で鍛えられましたね。怖いけどすごく面白い先輩がいて、その人を笑わせたい一心で、富澤と僕が頑張っていました」(FLASH 2015年11月3日号)と語っている。その先輩こそが芳賀さんなのだ。

サンドウィッチマンの伊達みきお ©️AFLO

「当時は仙台商業が男子校だったこともあって、上下関係は厳しかったですね。2カ月に1度くらい、練習後に部室で“芸出し”というのが伝統的にあって、面白いことをやって先輩を笑わせないと帰れないんです。僕は部長でもなんでもなかったけど、審査員的なポジションで僕が笑えばOKというルール。コンクリート剥き出しの狭い6帖くらいの部室に一人ずつ入って来て、10人以上いる先輩を前に笑わせなきゃいけない。今から考えると地獄ですよね(笑)。