新型コロナウイルスの感染拡大による経営難から、看護師らに対して「夏のボーナスゼロ」を通告していた東京女子医大病院(東京・新宿区)が一転して、基本給1カ月分のボーナスを支払うことが、「文春オンライン」の取材で分かった。

 7月31日付の理事長、学長、病院長らの連名による文書で、教職員に通知した。

 入手した文書によると、7月29日に開かれた同大学の理事会で、夏季賞与(ボーナス)に加え、これまで同病院が支給していなかったコロナ患者に対応した医療従事者への危険手当について審議された。

ADVERTISEMENT

東京女子医大病院 ©文藝春秋

 その上で「夏季賞与」については、「理事会では一旦、本給の0.9か月分で決定しましたが、コロナ感染症拡大に伴う様々な心労・負荷に対する慰労を込めて、本給の0.1か月分を上乗せし、合計で本給の1か月を支給する」とした。夏季賞与の原資については、同大学の7月15日付の文書で無担保、低金利で福祉医療機構から資金調達する旨が報告されている。

 コロナ対応にあたった看護師らに支払われる「危険手当(特別手当)」については、今回の文書には具体的な金額や支給時期が明示されず、「支給額や支給時期について、自治体からの助成金等の交付を踏まえ、近日中に審議し決定する予定」とした。

夏期賞与の支給について、大学側が教職員に通知した内部文書
 
夏期賞与の支給について、大学側が教職員に通知した内部文書

 一方、国から医療従事者に対して1人当たり最大20万給付される「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金」の交付については、具体的な申請手続きが自治体より示されているとして、教職員に、該当者の委任状を病院側に提出するように求めた。