秋篠宮ご夫妻、悠仁さまによる戦争の記憶の継承
秋篠宮家でも、これまで、悠仁親王が2013年に沖縄を訪問、平和祈念公園にある国立沖縄戦没者墓苑を訪れて献花した。2016年には長崎市を訪れ、原爆落下中心地碑に供花をして原爆資料館を訪問し、2017年には母親の紀子妃と小笠原諸島を私的に訪れて戦争の痕跡をめぐった。そして2018年にも広島市を訪問、平和記念公園を訪れて広島平和記念資料館を見学している。このように、平成の天皇が繰り返し提起してきた、戦争の記憶の継承を図ろうと試みてきた。
しかし、こうした訪問も、新型コロナウイルスによって、少なくともその感染拡大期間中は困難だと思われる。ここでも、慰霊の旅を重視してきたいわゆる「平成流」のあり方は変化することが求められたと言える。悠仁親王が作家の半藤一利氏から戦争に関する話を聞いたことが話題にもなったが、そのように人から直接話を聞く機会も少なくなるかもしれない。リモートなど、新しい方法論が求められるだろう。
変化の激しい時代に「行動していくことは大切なこと」
徳仁天皇は先に紹介した今年2月の誕生日の記者会見で、「変化の激しい時代にあって、社会の変化や時代の移り変わりに応じた形でそれに対応した務めを考え、行動していくことは大切なことであり、その時代の皇室の役割でもあると考えております」とも述べた。コロナの時代にあって、戦争の記憶をどう継承するのか。「社会の変化や時代の移り変わりに応じた形で」対応することを考える必要もあるのではないだろうか。この8月15日はそのきっかけになるようにも思われる。