1ページ目から読む
2/2ページ目

“反中キャンペーン”は大統領選が終わるまで続く

「朝鮮戦争の頃に吹き荒れた『マッカーシー旋風』を彷彿とさせます。きっかけは共和党のジョセフ・マッカーシー上院議員による告発でした。共産主義者とそのシンパが次々と捕まり、チャップリンまで『赤狩り』の標的になったことは有名です。

 このような反共意識は冷戦終結後もアメリカには根強く残っており、トランプ大統領はかつてのソ連を中国に置き換えるかのごとく、巧みに世論をリードしています。

 ただ、コロナ禍をきっかけにアメリカ全体が反中国に傾いたのは、今年11月の大統領選の影響が大きいのではないかと思われます。トランプ大統領は、民主党大統領候補のバイデン氏に『親中派』とのレッテルを貼ることで、選挙戦を有利にしようと企図しているのではないか。そのため、この『反中キャンペーン』は少なくとも大統領選挙が終わるまで続く。WHOなど国際機関に『離脱』をチラつかせるのも、選挙のための内向きのアピールでしょう」

ADVERTISEMENT

日本の舵取りの行方は? ©共同通信社

 では、日本はどのように振舞うべきか。丹羽氏はグローバリゼーションの必然の流れのなかから、アメリカ、そして中国との適度な向き合い方を説き、ポストコロナの世界で日本がどんな役割を果たしていくべきか、「日本よ、『鎖国』するな」の中で詳細に論じた。その全文は「文藝春秋」8月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されている。

出典:「文藝春秋」8月号

※「文藝春秋」編集部は、ツイッターで記事の配信・情報発信を行っています。@gekkan_bunshun のフォローをお願いします。

文藝春秋

この記事の全文は「文藝春秋 電子版」で購読できます
日本よ、『鎖国』するな