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「店名公表」で事態が一変した
外出自粛要請期間中も営業を続けたところ、ツイッターなどで拡散され、ネットで非難を浴びるようになった。
「店に抗議の電話もかかってきたものの、まぁ数えるほどでした。基本的には問題なく営業させてもらっていました」
警察からも、特に指導や要請などはなかったという。事態が一変したのは、自治体による休業要請に応じないパチンコ店の「店名公表」からだ。
「店名公表からお客さんが一気に増えた」
「公表前に、事前通知が送られてきました。こちらとしては悪いことはやっていないという意識なので、無視しました。ただ、店名公表からお客さんが一気に増えましたね。『この店はやってますよ』という宣伝のような形になりました。遠方からも、たくさん来店していただきました。ただこちらとしては、いつも通ってくれる地域の人たちに貢献したいという気持ちで営業していたんです。それで、当店の会員しか入場できないということにしたんですけど、その場で新規入会希望者が殺到して、用意していた会員カードがなくなってしまうくらいでした」
実はパチンコというのは、商圏が非常に狭い。都市型なら近隣の駅周辺、郊外型店舗でも車で10分圏内に住んでいる人々が主なターゲットだ。そうした近辺のお客さんに細く長く通い続けてもらう、というビジネスモデルなのだ。
「そのうちテレビで報道されるようになって、さらにお客さんが増えたし、苦情も増えました。他の地域ですと、景品交換所を閉めるというケースもあったみたいですね。ウチの地域はそういった事態にはならなかったですが、仮に景品交換所が閉まっていても営業は続けたと思います」