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新台の開発や製造もストップ

 ホールの景気が悪くなると、その余波はついにメーカーにまで到達する。

「いままでパチンコ機器のメーカーは、新台を開発して、それをホール側にどんどん売っていくことによって安定した収益を得ていました。しかし、今回のコロナでは国家公安委員会による新規のパチンコ・パチスロ機の検定も止まり、台の開発や製造がストップ、もしくは延期になっています。ホール側は、台の入れ替えをしなくてもそれなりに営業ができてしまえば、高価な新台を買う必要がないことに気づく。コロナによって、パチンコ業界のサイクルが変化する可能性はありますね」

※写真はイメージです ©iStock.com

働く人のモチベーション

 どんな状況もしぶとく生き抜いてきたパチンコ業界も、今回ばかりはダメージが深そうだと橋本さんは指摘する。

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「今回のような事態が起こると、真っ先にやり玉にあがるのがパチンコ業界だという自覚はあります。東日本大震災の時は、パチンコ業界が無駄な電力を使っていると言われましたし、消費者金融が社会問題になったときもパチンコが元凶といわれた。それでも、パチンコ業界は反論せずに黙ってやりすごしました。もちろん、自浄努力はしています。暴力団も排除したし、税金だってきちんと納めている。最近は依存症問題にもキャンペーンを張って、本当になくそうとしている。ただ、どこまで努力をしても、何かが起こるたびにパチンコがやり玉にあがるので、業界で働く人たちのモチベーションが下がってきているなと感じます」

 前述の店長・飯田さんも「今回、家族からウチで働くことを止められたアルバイトがいました。パチンコ業界のイメージが悪くなると、優秀な人材が集まらなくなるというのはあると思います」と語る。

「メーカーも、ホールでも、最近は創業者が引退し、その地盤を引き継いだ2代目、3代目が経営に加わっている。こうした世代は、そこまでパチンコ業界に対する情熱はないですから、イメージが悪くなると経営意欲も下がってしまうのではないでしょうか。パチンコのいい時代を知っている世代は、世の中がどうなろうとまたブームが来ると思っていますけど、もうそんな波は来ないのかもしれませんね」(橋本さん)

※写真はイメージです ©iStock.com

 コロナ禍は、長年の顧客だけでなく、パチンコ業界で働く人々にも甚大な影響を及ぼすことになりそうだ。

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