「おめでとうございます!」の一言。

 2019年10月16日に開催された大井競馬第3レースで、7,098,910円という配当の大穴馬券が飛び出した。1位から3位までを着順通りに予想する三連単の馬券で、14頭立てで14番人気の馬が1着になるなど波乱の結果となったことが高配当につながった。

 100円が7,098,910円に化ける。博打ファンとして、こんなにも羨ましい話はない。

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安牌と思われる買い目ばかりを塗ってしまう

 とはいえ、筆者は下賎な博徒なので、普段、件のような超高額払戻になるような組み合わせには目も向けず、数倍……せいぜい十数倍のオッズ帯ばかりを眺めている。

 ただ、こうした高額払戻ニュースを耳にして「羨ましい」という感情を抱かないわけではない。わけがない。しがない博徒の悲しい性だ。そもそも、高額払戻が狙える買い目を考慮してすらいないのに、である。

 繰り返しになるが、博徒として、件のような額の払戻は羨ましい。手にしてみたいという気持ちは持っている。しかし、レースが目の前に迫ると、マークシートと向き合うと、どうしても安牌と思われる買い目ばかりを塗ってしまうのである。このままでは、いつまでたっても超高額払戻を手にすることができない。いやはやどうすればいいのか……。

 足がかりとして、日本のギャンブルにおける高額払戻を知るという段から始めたい。

 2,000万円は必要だとされる老後の生活資金のためにも、これは重要な作業だ。

2019年10月16日大井競馬第3Rの競走成績(東京シティ競馬ウェブサイトより)
三連単は、2184通りある組み合わせのなかで1971番人気だった。配当金額は7,098,910円!(東京シティ競馬ウェブサイトより)

水上の格闘技・競艇

 まずは競艇から見ていこう。競艇は、競輪・競馬・オートレースと並ぶ公営競技のひとつで、現在はボートレースと呼ばれ、プロの選手達によって行われるモーターボート競走である。6艇のボートが着順を争い、ファンは単勝、複勝、二連単、二連複、三連単、三連複、ワイドの7券種から選び抜いた舟券を買う。

 言わずもがな、最も難しい、つまり最も配当が期待できるのは1、2、3着の順番を着順通りに当てる三連単だ。

©大小田陽平

 三連単にして682,760円。この金額を目にして……いかがだろう。「大した払戻じゃない」と感じた人も少なくないかもしれない。筆者もその1人だ。

 68万円は大金である。大金ではあるのだが、歴代最高の払戻額が68万円と知ると肩透かしを食らったような気持ちになってしまう。

 この金額の低さは競艇の出走艇数によるところが大きい。先にも書いたとおり、競艇は6艇で行われる競技であり、三連単の総組み合わせも、わずか120通りしかない。それに加えて、最初のターンマークを最短距離で回ることができる1番艇が圧倒的に有利な競技だ。

ボートレースは、スタート直後のターンでのコース取りが激しくなる

 最初のターンマークを先頭でクリアすれば、他の艇に邪魔されず、2番手以降は、前を行く艇が出す引き波によってスムーズに走れないので、よほどの技術差がないかぎり追いつくのは難しい。反面、競艇は買い目を絞りやすく、当てやすいというメリットはあるのだが……配当はどうしても跳ね上がりづらい。一長一短といったところだろうか。