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2020/08/09

genre : ニュース, 社会

不満分子を「絶縁」「除籍」「謹慎」で鎮圧

 さらに日用雑貨品の押し売りについても言及。「雑貨屋のごとき飲料水、雑貨の購入、これは強制購入ではないか」と実態を明かした。その上で、「我々は雑貨屋の親父ではない」と強く非難していた。

 抗議文は直参組長13人の連名となっていたが、高山は粛々と、それぞれ絶縁や除籍、謹慎などの処分を下し、6代目体制が進める施策に不満を持つグループの抗議を事実上、鎮圧した。高山の「剛腕運営」が発揮されたシーンだった。

 後藤組の一件は後日談がある。後藤組はその後、良知組と藤友会に分割されたが、それぞれの代表者は山口組の直参組長に取り立てられるのだ。

警察も監視を強化している ©iStock.com

 前出の警察庁幹部は、「謀反を起こしたというほどではないが、いずれにせよ後藤組長本人は処分された。その子分たちが恭順の意を示したことで、所領が安堵されたというわけだ」と解説する。

 江戸幕府がお家騒動を起こした大名に行う処分のような決着で落ち着いたこととなった。

高山の「社会不在」で不穏な動きが…

 強権を発動し続けた高山だったが、水面下で京都府警による捜査が進んでいた。

 建設事業をめぐり京都市内で男性から4000万円を脅し取ったとする恐喝容疑だった。京都府警は2010年11月、高山を逮捕した。司は当時まだ府中刑務所で服役中だったため、一時的にツートップ不在となったが、司は11年4月に出所した。

 しかし、高山の社会不在は、さらに不穏な動きを生み出していた。

 山健組や宅見組、正木組など5代目時代の組長、若頭を輩出した名門組織が2015年8月に離脱、神戸山口組を結成した。人事やカネに関する鬱積した不満が原因だとされている。

 以降、6代目山口組と神戸山口組の間で拳銃の発砲やダンプカーで事務所に突入するなど、120件以上の対立抗争事件が発生し9人が死亡している。高山は2019年10月、5年4カ月ぶりに出所すると、ふたたび強権を発動して、現在の対立抗争の激化に繋がっていく。

神戸山口組系事務所にダンプカーが突っ込んだ現場(神戸市、2016年) ©共同通信社

 今年夏になって、神戸山口組で山健組内の対立が表面化するなど、山口組周辺の抗争は、まだまだ流動的だ。警察当局も引き続き、監視の動きを強めている。(敬称略)

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