日刊ゲンダイ(8月12日発行)は次のコメントを載せていた。
「表向きは、ジムで運動したことになっていますが、それを信じる政界関係者はいません。総理は体調が悪そうな時ほどジムに行くので、ホテル内で実は診療を受けていると見る向きが多い。だいたい、元気な若者でもジムで3時間も運動はなかなかできませんよ。」(自民党中堅議員)
もし体調不良なら日本のリーダーなので心配になる。それを打ち消すためにジムへ行ったなどの情報戦がおこなわれているのだろうか。
安倍首相の「夏休みをとれないジレンマ」
そんな健康不安説とは別に「首相の夏休み」という視点でも記事があった。
「休めずお疲れ 安倍首相ジレンマ コロナ禍特別な夏」(日刊スポーツ8月14日)
本来なら地元の山口へ帰省したり山梨県内の別荘でゴルフをするのが例年の首相の夏休みだったが、東京都の小池百合子都知事が帰省や旅行の自粛を求めているので、国民の目を気にして夏休みをとれないジレンマに陥っているという。
しかし記事の最後の“自民党関係者”のコメントが強烈。
「国民の目を気にしている割には、仕事をしている感が全く見えない…」
思い出してみよう。8月6日に首相は1カ月半ぶりに会見した。しかし広島市での平和記念式典への出席後に行う毎年恒例のもの。唯一の被爆国である日本の首相としては会見をやって当たり前の日だ。ところが「質問4問、追加認めず15分」(毎日新聞8月7日)だった。
国会を閉じ、コロナの状況がまた変化しつつあっても国民の前にあまり出てこない不自然さ。
首相は2月に一斉休校を要請した際、国会答弁で「何よりも国民の命と健康を守ることを再優先に、対策をちゅうちょなく実行していく」と強調していた。
《しかし、今月二十二日の対策本部では「最も重要なことは、効果的な感染防止策を講じながら、社会経済活動を段階的に回復させていく『両立』をしっかり図っていくこと」と説明。最も大事なものが変わったように聞こえる。》(東京新聞7月31日)
最も大事なものが変わったなら説明すべきだ。
ところが今は「首相の健康不安説」や「首相の夏休みはどうなる」的な記事のほうが多い。本来ならなぜ臨時国会召集を蹴ったのかとか、なぜ国会をそこまでしたくないのかという点が言及され続けるべきだと思うが、報道の変化も気になる。
ここまで書いたら8月16日(日曜)にまた新しい展開になった。