小池百合子が抱く吉村知事へのライバル心
この通天閣などでのライトアップを小池は評価し、同じようにコロナ感染拡大の警戒レベルを決める東京都独自の基準(数値目標)を作って「東京アラート」と名づけ、レインボーブリッジや都庁での点滅を始めたのだ。
この小池の行動から透けて見えるのは、吉村知事に対する強烈なライバル心だ。『毎日新聞』の世論調査「新型コロナウイルス問題への対応で最も評価している政治家」で、第1位は吉村で第2位は小池だったが、5月6日と5月23日の2回行われた世論調査では3倍以上の大差をつけられていた。「新型コロナ対応、評価トップは吉村大阪府知事 毎日新聞世論調査」と銘打った5月23日の『毎日新聞』の記事は、全国規模の携帯電話調査の結果を次のように紹介していた。
1)吉村洋文・大阪府知事
168人(5月23日) 188人(5月6日)
2)小池百合子・東京都知事
44人(5月23日) 59人(5月6日)
「東京アラート」は欠陥商品でしかなかった?
「大阪モデル」で一躍有名になった吉村知事に大きく差をつけられたことで、小池知事のライバル心に火がついたに違いない。「東京アラート」で“吉村人気効果”の同じような支持率アップが期待できると目論んだというわけだ。
しかし見かけはほぼ同じでも、その中身は似て非なるものだった。数値目標を廃止しなかった吉村府政では7月13日、通天閣に「黄色」のライトが再点灯することになった。「新規の感染経路不明者(直近7日間平均で10人以上)」「経路不明者数の前週比(同2倍以上)」「直近7日間の累積新規感染者数(計120人以上かつ後半3日間で半数以上)」の基準を上回ったためだった。
これに比べて小池都政では、感染者数100人超えが続いてもレインボーブリッジも都庁も「赤色」でライトアップされることはなかった。小池は、吉村の“ヒット商品”を後追いして模倣品を作ってはみたが、見た目はほぼ同じでも中身に“魂”が入っていなかった。都民の感染拡大防止には役に立たない“欠陥商品”でしかなかったということだ。