先日、お盆中みんなヒマだったのか、突然Twitterで降って湧いた「廃棄前提おじさん」がその不遜な物言いと旅館飯に対する無茶な要望で芸術点の極まった深い発言だということで爆発炎上していました。

〈Go Toでちょっと高い旅館に泊まったら、大失敗。出てきた夕食がこれ。さらに天麩羅とごはん、お吸い物。多すぎて到底食べきれない。シニア層がメインターゲットのはずなので、つまり廃棄前提(としか思えないし、実際にかなりの廃棄が出ているはず)。不味くはないけど、体験価値としては……〉

臨場感MAXのライブ状態で書き込み者をフルボッコ

 いやまあ、私は普通に大食漢なのと、家族6人で旅行すると常に飯不足に見舞われて夕食後に買い出しに出ることも多いため、これを見たとき「イラッ☆」とするより「旅館飯ぐらい涼しい顔で完食しろ。さもなくば腹を切れ」ぐらいの思いで見ておりました。

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 ところが、さすがにヒマ人の集うTwitter界隈は「その言い方は何だ」「食べ物がもったいない」「旅館の人たち可哀想」「そこまで高くもないお宿の頑張ったサービスにこれ以上何を期待するんだ」と批難批判の大合唱。臨場感MAXのライブ状態で書き込み者をフルボッコであります。

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 しかも、この書き込み者の自己紹介欄にサラリーマンの星、雇われ最高峰ブランドをほしいままにする田端信太郎さん主宰のオンラインサロン「田端大学」の構成員であるという記述があったため、ボルテージはさらに上がります。

 田端信太郎さんと言えば、就活生が土下座してでも入りたい企業上位のNTTデータから日本ビジネス界の雄であるリクルートへ転職。さらにライブドアに入社してお騒がせ番長・堀江貴文さんの薫陶を受けて執行役員にまで昇り詰めます。その後はライブドアを買収したLINEで偉い人をやった後、あの「お金配りおじさん」と名高い前澤友作さん率いるZOZO(旧スタートトゥディ)へと転身。そのZOZOがYahoo! JAPANに買収されることになると、前澤さんの勇退とともにサッと身を退き、いまでは若く悩めるビジネスマンの駆け込み寺というか虎の穴的な存在であるオンラインサロン「田端大学」を開設するに至ります。もちろん、人によっては虎の穴のはずが落とし穴だったりブービートラップだったりするわけですが、そこはまあ、それということで。

敵も味方も多い成功したビジネスマン

 その前にコンデナストに転職してデジタルパブリッシングも手がけていたので、その点ではデジタルと広告と営業の世界では文字通り第一人者であると同時に、ネット界では放言野郎としても名高いナイスガイです。

 なにぶんそういう「ああ、雇われて働くとしたら、田端さんのように偉い人に見込まれて仕上がったビジネスマン人生を送りたかった」という人は多い一方、デジタル業界では「なんだよ田端。イガグリ頭でたいした仕事もしなかったくせに偉そうに仕上がりやがって。けしからん」という人もまた少なくない。そういう敵も味方も多い成功したビジネスマンが40代でうまく足抜けし、しかも、創業者でもないのに良い暮らしをしてそうだという時点で数多いるうだつの上がらない勤め人からすると嫉妬心を掻きむしるんでしょう。