昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

上智大が性別枠なしのコンテスト新設、「島宇宙化」…ミスコンのゆくえに社会学者が注目する理由

『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど』著者・高橋幸氏インタビュー #2

ーー2010年代の「ブーム」の中で生まれた若いフェミニストたちが、前の世代のポストフェミニストたちを批判した……そういった構図が、炎上に現れていたのかもしれません。   

高橋 そうだと思います。世代間対立はどの時代のフェミニズムにもありますし、けっこう早いスピードで変わってきているんでしょうね。 

OLの「ユリ」からベンチャー起業家の「ゆうこす」へ

ーー2010年代のフェミニズム・ブームを経て、「めちゃ❤モテ」ブームの頃に比べて「女らしさ」への考え方に変化は出てきたと思いますか。   

高橋 15年という短い期間なので、大きく変化はしていないんじゃないでしょうか。フェミニズムがブームだとはいえ、「まだ男とか女とか言ってるの?」というポストフェミニズム的なマインドは、今も広く存在すると思います。 

 ただ、「めちゃ❤モテ」ブームの「モテ」を支持した層と、「モテクリエイター」を自称するゆうこす(元HKT48の菅本裕子)の「モテ」を支持している層は、多少異なる気はします。それに、「エビちゃんストーリー」のユリがOLだったのに比べ、ゆうこすはベンチャー起業家である、というのはちょっとおもしろい。   

 

ーーなんだかパワーアップしている感じがします。   

高橋 でしょう? 主体的に「女らしさ」を能力化して競争に参加していく感じがより強く出ていて、より新自由主義的だし、よりポストフェミニズムっぽくもある。 

 それでいうと、女性アイドルもすごくおもしろいと思います。ゆうこすも所属していたAKB系列のアイドルが特にそうなんですが、恋愛感情を商品化して競争する。 

 既存の「女らしさ」をやる子もいたり、あえて逆張りでぼーっとしてみる子もいたり。しかも、その競争自体が見世物になり、かつアイドルたちにとっての自己実現にもなる。 

今、ミスコンを研究する理由

ーー「めちゃ❤モテ」ブームの他、ご著書では「若い世代の性行動の不活発化」「ソフレ(添い寝フレンド)」などを分析されています。次は、どんな研究をされるのでしょうか。   

高橋 今、ミスコン研究をやってます。

ーーミスコンも、「女らしさ」を武器に厳しい競争に参加するという意味で、女性アイドルと重なるところがあるように思います。 

高橋 そうなんです。ミスコンのほうが女性アイドルよりも制度として安定しているので、社会学的な研究がしやすいというのもあります。 

 ミスコンは第二波フェミニズムではずっと批判されてきたのですが、私はもはや単純に批判できないのではないか、と考えているんです。