「安倍総理の総裁任期が切れるのは来年9月です。私は初当選した時から『いずれ総理になりたい』と申し上げてきました」
「文藝春秋」9月号のインタビューでそう語るのは、河野太郎防衛相(57)。6月15日に陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備停止を表明して以降、共同通信や読売新聞の「ポスト安倍」に相応しい人物を問う世論調査では3位に急浮上するなど、その存在感が高まっている。来る総裁選について、河野氏はどのように考えているのか――。
石破氏や岸田氏をどう見ているのか
「ポスト安倍」に関する世論調査では、安倍晋三首相との距離のある石破茂元幹事長が不動の1位を維持している。一方、安倍首相が「本命」と位置付けてきたのが、岸田文雄政調会長だ。しかし、岸田氏は第1次補正予算に盛り込まれた国民への現金給付を巡って迷走を重ねるなど、調整能力や発信力の乏しさを露呈している。
そんな中、イージス・アショアの配備停止で「決断力」を見せたのが、河野氏だった。
本人はこう語る。
「次の総裁選で誰が誰を支持するか、そんな先の話は分からない。岸田さんがどうだとか、石破さんがどうだとか、他人のことはどうでもいいと思う。まずは『自分の仕事』をちゃんとやらなければなりません。その上で皆さんに評価頂きたい」
麻生副総理からは「失言しないように」とアドバイス
河野氏は麻生派の所属。派閥領袖の麻生氏も首相同様、岸田氏をポスト安倍の最有力候補に推してきたが、最近は「この調子だと岸田に任せられない」と漏らすようになってきた。
他方、その岸田氏と関係が悪い菅義偉官房長官は、河野氏に対して時に冷ややかな視線を送りながらも、常に将来の総裁候補として期待し続けてきた。河野氏が出馬した2009年の総裁選でも、推薦人の1人になっている。
もし河野氏が次の総裁選に出馬する場合、派閥の領袖である麻生氏、そして二階俊博幹事長らと太いパイプを持つ菅氏の存在は重要な鍵になってくる。