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 ゴールしてしまうと、その先の目標を見つけることはなかなか難しいものです。たとえ娘からであっても、他人に与えられた目標ではモチベーションが上がりにくいものです。ご本人が「どうしてもこれがやりたい」と奮起するしかないのですが、私たちの大脳は、中脳から送られてくるドーパミンの助けなしには、動機づけをしにくい仕組みになっています。

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 このドーパミンは、幸福を感じるときにたくさん分泌されるということはご存じでしょう。ドーパミンを分泌させる代表例が、恋ですね。お母様が自ら食堂をやろうと奮起する。それを手っ取り早く実現する術は「恋愛」かもしれません。

 一人で働きながら子どもを育てていたら、恋に落ちそうになることがあったとしても、いやいや、私はそんなことはできないのだと気持ちを抑えてしまったこともあったでしょう。今はもう、お母様が女として生きてもどなたも後ろ指を指さないのではないでしょうか。リアルな恋でなくてもいいのです。俳優や歌手、アイドルなど、ときめく対象があればいいのです。

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 まずは、キレイにメイクし、ファッションを楽しむことから始めるのはいかがでしょうか。ただ、恋をしてドーパミンがたくさん分泌されるのは、最初の何年かです。気持ちをうまく盛り上げられたら、その間にうまく食堂を始めることができるといいですね。

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text:Atsuko Komine

週刊文春WOMAN vol.7 (2020秋号)

 

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2020年9月24日 発売