妻に逃げられ手放し、を繰り返してきたベイスターズの歴史
1998年の優勝時には、谷繁さんという絶対的なキャッチャーがいました。しかし、FAで海外か?と思われたところ、まさかの中日ドラゴンズへの移籍。長年愛した妻が突然ライバルのところへ行ってしまった……後に何年もの間ずっと私の心に傷が残りました。
しばらくすると相川さんが正捕手になり2005年にはAクラスに入るなど捕手問題は解決したかに思いました。第2の捕手鶴岡さんもいて、しばらく安心と思っていたところ、鶴岡さんをトレードで巨人へ放出。そのシーズン終了後、相川さんがFAでヤクルトへ移籍しました。2008年のクライマックスシリーズでは、中日は谷繁さん、巨人はケガの阿部さんに代わり鶴岡さんが正妻として出場し対戦。鶴岡さんは日本シリーズにも出場しました。翌年は、ヤクルトの相川さんと中日の谷繁さんがクライマックスシリーズで対戦するなど、ベイスターズを去ったキャッチャーがセ・リーグの3球団で同時期に活躍し、優勝争いをするという事態になりました。一方で、ベイスターズは暗黒時代へと入っていきます。そんな中、起用された武山さん、黒羽根選手はよく頑張っていたと思います。しかし、その武山さんも、黒羽根選手も移籍しました。
DeNAになって鶴岡さんは帰ってきました。正妻としてチームを支えてくれました。ところが、阪神から久保投手をFAで獲得すると、人的補償で鶴岡さんを引き抜かれてしまい、また正捕手を失いました。その後、高城選手、嶺井選手、戸柱選手と、ようやく整ってきたところ、2018年シーズン途中に、ファンにも愛されていた高城選手がトレードでオリックスへ移籍しました。ここまで妻に逃げられ、妻を手放し、妻を取られる夫……いや球団も、なかなかありません。
でも、高城選手は今シーズン戻ってきました。濱口投手とのコンビも復活し、ここまで出場12試合でホームラン3本、守備では何度もワンバウンドの投球を体で受けとめる活躍をしています。戸柱選手は、リード面はもちろん、打撃でも勝負強さが魅力です。嶺井選手は井納投手との“変わりもの同士バッテリー”で相手を翻弄、今シーズン打撃も好調です。勝ったときに投手を抱きしめる伊藤光選手の“ヒカルの抱擁”もまた見たいです。ルーキーの東妻選手は苗字に「妻」が入っています。個性的なキャッチャーが今のベイスターズには揃っています。
1チーム多妻制は、これからプロ野球の主流になるのかもしれません。愛着あるキャッチャーを不本意に失いたくありません。もう妻を失うのはいやだ! 妻を大切にしま……いや、ベイスターズに“妻”を大切にしてほしいです。
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