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みんなのためにコツコツと、そんな足立祐一が大好きだ

 9月頭にはルーキー黒川史陽が一軍に上がり即スタメン出場の初打席初打点。

 師匠・浅村栄斗が二本のホームランでド派手に出迎え、スーパースターと未来のスターが揃ったお立ち台は眩しかった。しかしその試合、イーグルス打線がこれまで攻略に苦労した山岡泰輔から勝ち越しのホームランを放ったのが、足立祐一だった。あの眩しいお立ち台には上がらないが、ベンチはその日一番の盛り上がりで足立を出迎えていたのが印象的だった。

 毎年、足立選手の人柄が伺える1日がある。11月に行われるファン感謝祭だ。ありがたい事に、球場外舞台のMCをやらせてもらっている。様々なコーナーがありファンの皆さんとの交流が楽しい。その中でも、選手の別の一面を垣間見る事ができるカラオケコーナーは、むちゃくちゃ盛り上がるのだ。

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 しかしそれは選手の皆さんが、歌のジャンル関係なしにやり切ってくれてこそ。誰が最初に歌うのか、なんていう譲り合いも長引くと一気にシラケてしまう。しかしながら選手達もみんなカラオケが好きな訳ではない。どう考えても半ば強制的にカラオケコーナーに配置された選手もちらほらいるのは事実だ。

 皆がファイターズの杉谷拳士選手やライオンズ熊代聖人選手ではない。大声でジャイアンができる選手なんてむしろ少ないのだ。そんな中、ファンに楽しんでもらうため変な空気にさせないため、MCが困る前に、自らマイクを握ってくれる。それが足立祐一だ。

足立「かみじょうさん、まずは何行きましょうかぁ! ほなT-BOLANの『離したくはない』行きまーす!!」

 こんなやりとりが3年は続いている。

 去年だったか、足立選手がデュエット希望者と快く熱唱の後、その方もむちゃくちゃ嬉しそうだったので、質問した。

かみじょう「ちなみにイーグルスで大好きな選手は誰ですか?」

ファン「則本投手です!」

 いや、そこ足立やろー!

 気づけば吉本新喜劇ばりに転がる足立祐一がそこにいた。

 いつの時もファンのためチームのため一生懸命に闘う足立祐一が僕は大好きだ。

“コツコツが勝つコツ”精神で、後半戦のキーマンになってほしい。

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