その南口側に出てみると、これまた人気の少ないキレイなロータリー。向こう側には文字通りの森が広がり、その中ににょきにょきといくつかのビルが生えている。この森は大久保山という小さな山で、その一帯に早稲田大学の本庄キャンパスやら早稲田大学本庄高等学院(つまり付属高校)があるという。
本庄から東京の早稲田まで「100kmを歩くイベントがある」
そこでふーんとうなずいて踵を返してもいいのだが、いったい早稲田大学にとってこのキャンパスはどんな位置づけなのだろうか。知り合いの早稲田大学OBに聞いてみた。
「本庄早稲田? ああ、ありましたねえ。一度も行ったことないけど。よくわからないキャンパスと高校があるってことくらいしか印象がないですね」
うーむ、ずいぶんとつれないお答え。何かエピソードはないものかとひねり出してもらった。
「あ、“100kmハイク”とかいうのがありました。本庄のキャンパスから(東京の)早稲田まで歩くんです。もちろん参加してないですけど。たぶん……愛校心の強い人たちが参加するイベントじゃないですか、ハハハ」
愛校心はさておき、100kmも歩くなど並大抵のことではない。新幹線で45分かかる距離を歩くのだと言いかえればこのイベントの恐ろしさがよくわかる。
早稲田大学のパワーで新幹線駅ができたの?
そういうわけで、本庄早稲田という駅は想像通り早稲田大学の駅であった。1日に2200人を少し超える程度の乗車人員とのことだが、早稲田大学や高校の学生・関係者が多いのだろう。
こうした本拠地から遠く離れた場所にキャンパスがあるのは総合大学ではよくあることだから、それ自体は取り立ててナゾでもなんでもない。が、疑問なのは「早稲田大学の施設があるから新幹線の駅ができたの?」という点である。各界に人材を送り出す早稲田のパワーが働いたのだろうか。