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江戸時代、“最大規模の宿場町”だった
本庄駅は本庄早稲田駅とはうってかわって1883年開業という歴史の古い駅だ。1915~1930年のわずか15年だが、本庄駅から八高線児玉駅まで本庄電気軌道の路面電車が通じていたこともある。今の本庄駅は小さいけれど駅前に立派なロータリーがあり、近くには飲食店が軒を連ねる一角もあるような、立派な“地方都市のターミナル”。さらに歴史を遡れば、江戸時代には中山道で最大規模の宿場町として賑わっていた。さらに明治に入ると生繭の集散地となり、いくつもの製糸工場もあるような工業都市だったという。近年は沖電気工業や富士機工などの工場があり、首都圏近郊の工業都市としての姿は変わっていない。早稲田大学の施設ができたのは1970年代のことだ。
このように歴史的に見ると本庄は碓氷峠越えを含む中山道ルートの重要な中継地点であり、日本の近代化を支えた町のひとつであった。その文脈でみれば、市内を通る新幹線の駅ができても何の不思議もないといえる。たしかに存在感という点ではお隣の熊谷駅や高崎駅と比べるとだいぶ劣るが、それでも往年の本庄宿の後を継ぐ、立派な新幹線の駅である。
写真=鼠入昌史