本庄早稲田駅が開業したのは2004年3月13日。まだ歴史の浅い新しい駅なのだ。調べてみると、請願駅、つまり地元が建設費などのコストを負担することで設置された駅だという。やはり早稲田の力が?と飛びつきたくもなるが、これは事実とは少し異なる。早稲田大学が多額の寄付をしたことは事実のようだが、100億円を越える建設費のうち大半は本庄市をはじめとする自治体が出している。つまり、本庄市が「ウチの町を通っているんだから駅を作ってくださいな、早稲田大学もあるんだし」とお願いしてそれが認められたというわけだ。
だから、駅の周りにあるのは早稲田大学だけではない。早稲田リサーチパークとは反対の北口に出ると、広々としたロータリーの先には大きな商業施設が建っていた。ベイシアゲート本庄早稲田という施設で、蔦屋書店やホームセンターのカインズも入っている(じつはカインズの本社は本庄早稲田の駅前にある)。さらに先にはキレイに整備された大通りとその脇に真新しい住宅地。都市再生機構(UR)が中心になって整備されたようで、住所そのままに「本庄早稲田の杜」と名付けられている。まだまだ空き地も多いが、駅周辺には駐車場もたくさんあって、いわゆるパークアンドライドで本庄早稲田から東京方面に通勤する、という利用形態も多いのだろう。
そもそも埼玉県本庄市とはどんな街なのか?
ここで、次なる疑問が生じてくる。いくら早稲田大学の施設があるといっても、お金は地元が出してくれるといっても、説得力がなければ新幹線の駅を作ってくれるはずがない。本庄早稲田駅のある本庄市とは果たしてそれだけの規模の街なのだろうか。
そこで、本庄早稲田駅からそのまま新幹線で東京に戻るのではなく、本来の本庄市の中心駅であるJR高崎線本庄駅に向かってみることにした。本庄早稲田駅と本庄駅は、本庄市によるシャトルバス「はにぽんシャトル」で約15分、距離にして2kmほどである。