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フジ・日テレが苦戦して、TBSドラマが「一人勝ち」する理由
ターゲット層を意識して作られたTBSドラマは、『半沢直樹』でお茶の間を、『わたナギ』でライト層を、そして『MIU404』でドラマ好きを掴むことに成功している。その一方、再放送ドラマで評価を得たフジテレビと日本テレビの今期は、全体的に苦戦しているように思う。
フジテレビは海外の人気ドラマをリメイクした『SUITS』の続編、病院薬剤師を描いた『アンサング・シンデレラ』、玉木宏と高橋一生演じる双子が親の仇を討つ『竜の道 二つの顔の復讐者』を放送している。1話完結タイプの弁護士ドラマと医療ドラマは、途中から見てもなんとなく話が掴めるメリットがあるものの、いずれもライト層が気軽に手を伸ばしづらい内容だ。夏ドラマが始まった日本テレビは、『私はどうかしている』『未満警察 ミッドナイトランナー』『親バカ青春白書』など、全体的に若者向けのラインナップ。テレビ離れが懸念されている若年層を呼び戻したい気持ちは見えるが、それ以外の層には響きづらく、物語に重厚感はない。
矢継ぎ早に新しい作品が始まる2020年のドラマ界。TBSでは、松岡茉優と三浦春馬のラブコメディー『おカネの切れ目が恋のはじまり』、山田涼介と田中圭がバディを組む刑事ドラマ『キワどい2人』、妻夫木聡主演の東野圭吾原作のミステリー『危険なビーナス』の放送が決まっている。どれも違うテイストで、どのターゲット層を意識しているのかも伝わってくるだろう。「TBSしか勝たん!」状態は、季節が変わってもつづくのかもしれない。