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武蔵美大に入った当初は、家電のデザインをやりたかったんです

ふせでぃ 「つらい目にあってもヒロインは前に進んでいく」「最後には救われる」というゴールは決めてあったので。

——そんなラストを経て、コロナもあったりで、新しく描いてみたいことが生まれたりしたのでは?

ふせでぃ はい。じつはもう描き始めてます。どこに発表するとか、そういう予定は決まってないんですけど。おそらく「ふせでぃさん感」はゼロです。これまでの作品でやらなかったことをやってみています。

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——ちょっとだけキーワードを教えてもらえませんか?

ふせでぃ SFですね。この現実を見て、描くしかないという話。

 

——うーん。漫画家になるつもりはなかったそうですが、資質としてはめちゃくちゃ作家向きですよね。自分の中からわきあがるテーマがあって、それを形作っていけるのは生粋の作家。なるべくして漫画家になったと思います。

ふせでぃ 作ることが好きなんですよね。武蔵美大に入った当初は、家電のデザインをやりたかったんです。ソニーとかパナソニックに入りたくて。でも、入学して立体構成をやってみたら早々に「ちょっと違うな」と思ってしまった。結局、在学中はテキスタイルデザインを専門にして、せっせと布を染めていたんですが。

——それを仕事にしようとは思わなかったんですね。

ふせでぃ やっぱり素材と向き合えなかったんです。工芸工業デザインでは木とか土、ガラスとか扱う素材の選択肢がいろいろあって。その中で一番平面に近い布を選んだんですが、やっぱり違った。素材の魅力を引き出すというのが、自分に合わなかった。自分の手で線を引くのが好きなだけなのかなと思って、イラストレーターを目指すことにしたんです。